M&A仲介業界は、深刻化する後継者問題を背景にマーケットの拡大が続いており、近年では上場する企業も増えております。
本記事では、上場しているM&A仲介会社について、各社の特徴を解説していきます。
M&A仲介業界への転職を考えている方に、少しでもご参考になれば幸いです。
更新日:2024年8月25日
1. 日本M&Aセンター(東証プライム:2127)
直近売上高は約441億円(24年3月期)、1991年設立の業界リーディングカンパニーです。
連結での社員数は1,000名を超え、そのうちコンサルタント数は645名とM&A仲介会社としては最大規模の会社です。
日本オリベッティ出身の分林氏、三宅氏によって設立され、日本全国の地銀、会計事務所、税理士事務所との強いネットワークを持つことが特徴で、「M&A市場のプラットフォーム」を標榜しております。
2. ストライク(東証プライム:6196)
直近売上高は約138億円(23年9月期)、1997年創業の老舗M&A仲介会社です。
公認会計士で現代表の荒井氏によって創業され、事業承継型M&Aのみならず、イノベーション型M&A(スタートアップ、ベンチャー企業の支援)を推進しております。
日本M&Aセンター同様に、日本全国の地銀や会計事務所とのネットワークを有しております。一方、直近では直接受託の件数も増加しており、提携先からの紹介だけに頼らない営業が特徴となっております。
3. M&Aキャピタルパートナーズ(東証プライム:6080)
直近売上高は約208億円(23年9月期)、平均年収が上場企業のなかで1番高いことでも知られる2005年創業の企業です。
積水ハウス出身の中村悟氏によって設立され、譲渡企業の平均譲渡金額が30億円を超えており、大型案件が多いことが特徴です。
日本M&Aセンターやストライクとは異なり、紹介には頼らない直接開発においては業界随一のプレゼンスを確立しております。また、グループには、日本のM&A仲介の草分け的な会社である株式会社レコフ、企業再生に特化したみらいエフピー株式会社を擁しており、様々なM&Aに対応できる体制を整えております。
4. M&A総合研究所(東証プライム:9552)
直近売上高は約86億円(23年9月期)、2018年の設立から3年9か月で上場を果たした飛ぶ鳥を落とす勢いのあるM&A仲介会社です。
代表の佐上峻作氏は、大学卒業後の2016年に株式会社メディコムを創業後、約1年で株式会社ベクトル(東証プライム)に9.5億円で譲渡した経験を持つシリアルアントレプレナーです。上場企業への売却後、子会社社長へと就任し、11事業/会社の買収・売却を経験しております。それらの経験を踏まえて非効率なM&AのプロセスをAIの力によって効率化するアイデアをもとに、M&A総合研究所を創業しております。
国内のM&A仲介事業者としては後発組にはなりますが、年間200名近くの営業人材を採用することにより、時価総額は業界トップに躍り出ています。(2024年5月時点)
5. オンデック(東証グロース:7360)
直近売上高は約8.2億円(23年11月期)、2007年設立の業界老舗企業です。
コンサルタント数は43名と少数精鋭で、仲介のみならずFA業務も扱うM&Aブティックです。公的機関・金融機関・士業など、2万以上の組織・団体からの紹介により案件を発掘する特徴を有しており、総案件のうち90%以上が紹介による流入となっております。
数少ない大阪本社のM&Aブティックであり、創業以来近畿エリアを中心に展開しておりましたが、直近では首都圏エリアの強化を行っております。
6. 名南M&A(名証メイン:7076)
直近売上高は約14.5億円(23年9月期)、2014年設立の会社です。
創業50年以上の名南コンサルティンググループに属しており、東海地区に根差した営業活動を行っている点が特徴です。
地域密着で企業を支援する金融機関や会計事務所からの案件紹介がメインであり、M&Aだけではなく士業領域含む総合サポートも充実しているという名南グループの優位性もあります。
7. ペアキャピタル(TPM:9559)
直近売上高は約10.6億円(23年9月期)、2020年設立の新興仲介会社です。
設立からわずか1年11か月でTOKYO PRO MARKETに上場した勢いのある会社で、大手金融機関やM&Aブティックでの経験を積んだボードメンバーで構成されております。
アドバイザーへの報酬還元率が業界でもトップクラスで、顧客から受領する成約手数料の30%~50%を経験に応じて担当アドバイザーへ還元しております。
また、業務についても分業制を採用しており、コンサルタントがお客様と向き合うための時間を最大化できる特徴も持っております。こうした採用における優位性もあり、設立から浅い会社ではありますが、50名近くの従業員を抱えるまで成長しております。
8. ジャパンM&Aソリューション(東証グロース:9236)
直近売上高は約7.5億円(23年10月期)、2019年に設立され、2023年10月に上場したM&A仲介会社です。
「相談されたら断らないM&A仲介会社」として、規模の大小、エリアにかかわらず対応をするという特徴を持っております。筆者もM&Aアドバイザー時代は、事業承継ニーズがあるにも関わらず手数料の観点から受託ができなかった経験も多く、今後のサービス需要としても高いのではないかと思っております。
今回は、上場しているM&A仲介会社各社の特徴について解説致しました。
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