介護の人手不足はなぜ深刻なのか|原因と施設が今すぐ取れる対策

介護の人手不足は、需要が増え続けるのに担い手が追いつかない

「募集をかけても応募が来ない」「夜勤に入れる職員が足りない」「派遣に頼らざるを得ず、人件費が利益を圧迫している」——介護施設を運営していれば、こうした悩みは日常的なものではないでしょうか。

介護の人手不足は、他業種とは性質が異なります。多くの業種が「働き手が減る」問題に直面する一方、介護は需要そのものが増え続けるという二重の圧力を受けています。厚生労働省の推計では、介護職員の必要数は2026年度に約240万人(2019年度比で約25万人増)、2040年度には約272万人まで増え、約57万人が不足する見込みです。高齢化で介護を必要とする人が増える一方、それを支える生産年齢人口は減り続けている。この需給ギャップが、介護業界の慢性的な人手不足の正体です。

この深刻さは、有効求人倍率にも表れています。全職業平均が1.20倍(2025年)であるのに対し、介護分野は都市部で4倍前後と、突出して高い水準にあります。とりわけ首都圏をはじめとする都市部は、高齢者人口の増加が今後さらに加速するため、人材確保の難しさは一層増していきます。

なぜ、介護は人が採れないのか

介護の人手不足は、景気や季節による一時的なものではなく、構造的な問題です。主な原因を整理します。

① 需要が増え続け、供給が追いつかない

団塊の世代が後期高齢者となり、要介護者は増加を続けています。必要な介護職員数は年々増えるのに、少子化で働き手の母数は縮小している。募集をかけても応募が集まらないのは、施設の努力不足というより、業界全体で人材の絶対数が足りていないためです。

② 夜勤・不規則シフト・身体的負担が敬遠される

介護は24時間365日、利用者の生活を支える仕事です。夜勤を含む交代制勤務や、身体的な負担の大きさが、求職者から敬遠される要因になっています。特に夜勤に入れる職員の確保は、多くの施設が抱える共通の課題です。

③ 資格者が、周辺業務に追われている

人手が足りない現場では、介護福祉士などの有資格者が、配膳・清掃・見守り・記録といった周辺業務にも追われがちです。本来、専門性を要する介護業務に集中すべき人材が雑多な業務に時間を取られ、生産性が下がる。これも人手不足が生む見えにくいコストです。

採用を増やすだけでは、人手不足は解決しない

人が足りないとき、多くの施設はまず求人を強化し、それでも足りなければ派遣を使います。しかし、派遣依存が続けば人件費が利益を圧迫し、経営を圧迫します。かといって採用を繰り返しても、労働環境が変わらなければ定着せず、離職と採用のいたちごっこになりがちです。

ここで必要なのは、募集の量を増やすことよりも、そもそも誰に、どの業務を担ってもらうかを見直すことです。有資格者を介護のコア業務に集中させ、周辺業務は別の担い手に任せる。そして採用の対象を、日本人の有資格者だけに限定せず広げていく。この発想の転換が、人手不足を根本から見直す出発点になります。

採用対象を広げる選択肢として、外国人採用がある

採用の対象を広げるとき、介護と特に相性が良いのが外国人材の採用です。介護は、外国人の受け入れ制度が最も整備されている分野のひとつで、EPA・在留資格「介護」・技能実習・特定技能といった複数の枠組みがあります。加えて、介護の現場は大きく2つの役割に分けて人材を確保するのが有効です。

ひとつは、配膳・清掃・見守り・記録補助といった周辺業務を担う留学生アルバイトの活用。もうひとつは、本部・管理・多言語対応を担う高度人材(技人国)の採用です。この2軸を組み合わせることで、有資格者をコア業務に集中させながら、現場全体を回す体制がつくれます。ただし、外国人採用には正しい知識が欠かせません。押さえておきたいポイントを整理します。

留学生アルバイトは「週28時間まで」

留学生をアルバイトとして雇う場合、「資格外活動許可」を得た留学生であれば就労が可能ですが、労働時間は原則として週28時間以内に制限されます(学校の長期休暇期間中は週40時間まで)。この28時間は、複数のアルバイト先を掛け持ちしている場合の合計時間に対する制限です。介護施設では、配膳・清掃・見守り・記録補助といった周辺業務を留学生が担うことで、有資格者が介護のコア業務に集中できる体制をつくれます。ただし、介護保険制度上、身体介護など資格や研修が必要な業務には業務範囲の線引きが必要です。

正社員採用では在留資格の確認を

介護分野で外国人を正社員として採用する場合、在留資格の種類によって従事できる業務が変わります。介護現場で直接ケアを担う場合は在留資格「介護」や特定技能、本部・管理・通訳・採用などを担う場合は「技術・人文知識・国際業務」(技人国)など、業務内容に合った在留資格の確認が欠かせません。制度は変わることもあるため、採用前に最新の要件を押さえておくと安心です。(※在留資格の制度は変更される可能性があります。最新の状況は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。)

外国人採用を具体的に検討するなら

人手不足の対策として外国人採用を検討する場合は、「どの採用方法が自社に合うか」「費用はどのくらいかかるのか」を先に整理しておくと、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。

介護施設の採用方法を、まず整理しませんか?

人手不足は、一つの施策で一気に解決するものではありません。求人の見直し、労働環境の改善、ICTによる省力化、派遣依存からの脱却、そして採用対象の拡大——これらを組み合わせて、少しずつ「回る状態」に近づけていくものです。

そのなかで外国人採用は、周辺業務の担い手確保と、本部・管理の戦力補強の両面で効く選択肢です。とはいえ、在留資格の確認や業務範囲の線引き、シフト管理など、初めての場合は不安も多いはず。いきなり採用を進めるのではなく、「自施設の場合、どの業務を誰に任せるのが最適か」「どの在留資格・採用手段が現実的か」を整理するところから始めるのが確実です。介護施設が取れる採用手段の全体像は、介護施設の外国人採用ガイドで詳しく解説しています。

施設によって、人手不足の原因は異なります。夜勤が埋まらない施設もあれば、派遣依存を圧縮したい施設、本部・管理の人材を求めている施設もあります。HR AGENCYでは、周辺業務を担う留学生アルバイト(Wajob)から、本部・管理を担う正社員採用(Wajob Pro)まで、施設ごとの状況に合わせた採用方法をご提案しています。まずは、自施設にはどの方法が合うのかを整理するところから始めてみませんか。無料相談はこちらから、お気軽にお問い合わせください。

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監修

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