清掃業・ビルメンテナンスの人手不足|高齢化と採用難への対策

清掃業の人手不足は、担い手の「高齢化」が限界に近づいている

「募集をかけても応募が来ない」「早朝の現場に入れる人がいない」「ベテランが引退したら、現場が回らなくなる」——清掃業・ビルメンテナンスを運営していれば、こうした悩みに心当たりがあるのではないでしょうか。

清掃業の人手不足は、他業種とは性質が異なります。多くの業種が「若手が採れない」問題に直面する一方、清掃業はすでに現場を支えている担い手そのものが高齢化し、引退の時期を迎えつつあります。ビルメンテナンス業界の調査では、一般清掃業務の従事者の46.7%が60歳以上、業界全体では60代以上が約58%・70代以上が27%を占めます。業界の悩みとして「現場従業員が集まりにくい」が90.4%、「若返りが図りにくい」が74.7%と突出しており、人手不足は一時的な現象ではなく、構造的に常態化しています。

この深刻さは、有効求人倍率にも表れています。全職業平均が1.20倍であるのに対し、ビルクリーニング業は約2.0〜3.0倍で推移し、都市部ではさらに高くなります。清掃が滞れば建物の衛生状態に直結するため、厚生労働省も外国人材の受け入れの必要性を認めています。

なぜ、清掃業は人が採れないのか

清掃業の人手不足は、景気による一時的なものではなく、構造的な問題です。主な原因を整理します。

① 担い手が高齢化し、若い世代が入ってこない

清掃の現場は長年、シニア層とパート・アルバイトが支えてきました。しかしその世代の引退が進む一方で、若い世代の新規参入は限られています。募集をかけても集まらないのは、業界全体で担い手の世代交代が進まず、既存の就業者に依存する構造が続いているためです。

② 早朝・夜間のシフトと、身体的な負担

清掃は、施設の稼働前(早朝)や稼働後(夜間)に作業が求められることが多く、身体的な負担も小さくありません。この「入りにくい時間帯」と「体力仕事」という条件が、特に若年層から敬遠される要因になっています。

③ 受注単価が固定され、賃上げが難しい

ビルメンテナンスは、建物オーナーとの長期契約で受注単価が固定されるケースが多く、人件費の上昇を価格に反映しにくい構造があります。賃上げの余地が限られるため、他業種との待遇差が縮まらず、採用の土俵で不利になりやすい。これも人手不足を加速させる要因です。

採用を増やすだけでは、人手不足は解決しない

人が足りないとき、多くの企業はまず求人を強化します。しかし、担い手の高齢化という構造的な問題を抱えたまま募集を繰り返しても、応募の主力がまたシニア層になり、数年後には同じ問題が繰り返されます。清掃ロボットなどの省力化も有効ですが、トイレや階段など判断を要する作業は引き続き人が担うため、ロボット単体で人手不足が解消するわけではありません。

ここで必要なのは、募集の量を増やすことよりも、そもそも誰を採用の対象にするかを見直すことです。従来と同じ層だけに頼る限り、世代交代の問題からは抜け出せません。採用の間口を広げることこそ、人手不足を根本から見直す出発点になります。

採用対象を広げる選択肢として、外国人・留学生採用がある

採用の対象を広げるとき、清掃業と特に相性が良いのが、外国人・留学生の採用です。清掃は、外国人材の受け入れが業界として求められている分野で、若い担い手を確保する現実的な選択肢になります。留学生アルバイトは、施設の稼働前後の時間帯など、清掃が人手を必要とするタイミングとマッチするケースも多くあります。すでに清掃の現場で外国人材は欠かせない戦力になっています。

ただし、外国人・留学生の採用には正しい知識が欠かせません。清掃で押さえておきたいポイントを整理します。

留学生アルバイトは「週28時間まで」

留学生をアルバイトとして雇う場合、「資格外活動許可」を得た留学生であれば就労が可能ですが、労働時間は原則として週28時間以内に制限されます(学校の長期休暇期間中は週40時間まで)。この28時間は、複数のアルバイト先を掛け持ちしている場合の合計時間に対する制限です。管理を怠って超過させると、雇用主が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。早朝・夜間のシフトを組む際は、特に注意が必要です。

正社員採用では在留資格の確認を

現場責任者やエリアマネージャーとして外国人を正社員採用する場合は、在留資格の種類によって従事できる業務が異なります。例えば「技術・人文知識・国際業務」(技人国)では、現場管理・多言語での作業指示・品質管理・営業など専門性を伴う業務が中心となります。どの在留資格でどんな業務を任せられるかは職務内容の設計と密接に関わるため、採用前に最新の要件を押さえておくと安心です。(※在留資格の制度は変更される可能性があります。最新の状況は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。)

外国人採用を具体的に検討するなら

人手不足の対策として外国人採用を検討する場合は、「どの採用方法が自社に合うか」「費用はどのくらいかかるのか」を先に整理しておくと、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。

清掃業の採用方法を、まず整理しませんか?

人手不足は、一つの施策で一気に解決するものではありません。求人の見直し、労働環境の改善、清掃ロボットなどによる省力化、そして採用対象の拡大——これらを組み合わせて、少しずつ「回る状態」に近づけていくものです。

そのなかで外国人・留学生の採用は、高齢化が進む現場に若い担い手を迎え入れる有力な選択肢です。とはいえ、在留資格の確認やシフト管理、募集のノウハウなど、初めての場合は不安も多いはず。いきなり採用を進めるのではなく、「自社の場合、どんな採用方法が合うのか」「どの採用手段が現実的か」を整理するところから始めるのが確実です。清掃業が取れる採用手段の全体像は、清掃・ビルメンテナンスの外国人採用ガイドで詳しく解説しています。

会社によって、人手不足の原因は異なります。早朝シフトが埋まらない会社もあれば、ベテランの引退で世代交代を迫られている会社、現場をまとめる管理人材を求めている会社もあります。HR AGENCYでは、留学生アルバイト(Wajob)から正社員採用(Wajob Pro)まで、会社ごとの状況に合わせた採用方法をご提案しています。まずは、自社にはどの方法が合うのかを整理するところから始めてみませんか。無料相談はこちらから、お気軽にお問い合わせください。

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監修

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