清掃業の人手不足はなぜ?人が集まらない原因と採用対策

「清掃員を募集しても応募が来ない」「早朝のシフトが埋まらない」「ベテランが辞めた後の人員を確保できない」。清掃会社では、人手不足が日々の現場運営だけでなく、新しい案件を受けられるかどうかにも影響します。

この記事の要点
  • 清掃業の人手不足は「高齢化」だけでは説明できない
  • 原因は「採れない」「辞める」「人手がかかる」の3つに分けて考える
  • 求人媒体を増やす前に、勤務時間と仕事内容の書き方を見直す
  • それでも足りなければ、外国人・留学生まで採用対象を広げる

清掃業の人手不足は一時的な問題ではない

ただし、清掃業の人手不足を「高齢化」の一言だけで説明するのは十分ではありません。オフィスの日常清掃、商業施設、ホテルの客室清掃、マンション共用部、病院など、清掃する場所によって必要な時間帯や仕事内容は異なります。人が集まらない理由も、会社や現場によって違います。

建築物内部の清掃を担うビルクリーニング分野は、国も人手不足を前提に外国人材の受け入れ制度を設けている分野です。出入国在留管理庁の分野別運用方針では、特定技能1号「ビルクリーニング」の受入れ見込数は、令和6年度から5年間(令和10年度末まで)で3万2,200人とされています。

「清掃業」と「ビルメンテナンス業」は同じではありません

ビルメンテナンスは、清掃だけでなく設備管理、衛生管理などを含む広い概念です。清掃の採用課題を考えるときは、実際に募集している清掃現場と仕事内容まで落として考える必要があります。

清掃員が集まらない5つの原因

① 早朝・短時間など、応募できる人が限られる

清掃の採用で大きな壁になりやすいのが勤務時間です。オフィス清掃では始業前、ホテル客室清掃ではチェックアウトからチェックインまで、商業施設では開店前や閉店後など、施設の営業に合わせて清掃時間が決まります。

「朝6時から3時間」「午前中だけ」といった求人は、条件が合う人には働きやすい一方、通勤時間や希望収入との兼ね合いで応募できる人が限られます。求人を出しても人が来ない場合、時給だけでなく「この時間帯で働ける人が地域にどれだけいるか」を見直す必要があります。

② 仕事内容が求人票から見えにくい

「清掃スタッフ募集」だけでは、求職者は仕事を具体的に想像できません。オフィスの日常清掃とホテルの客室清掃では、仕事の進め方もスピードも異なります。トイレ清掃の有無、重量物を扱うか、一人作業かチーム作業か、利用客との会話があるかも重要です。

仕事内容を具体的に書くほど応募が必ず増えるとは限りません。しかし、応募後の「思っていた仕事と違った」というミスマッチは減らしやすくなります。

③ 他のアルバイトと比較される

求職者は清掃だけを見て仕事を選ぶわけではありません。飲食、小売、倉庫、ホテルなど、同じ地域・時間帯で働ける求人と比較します。時給が近ければ、勤務地、勤務時間、仕事内容、シフトの柔軟性、通勤しやすさなどが判断材料になります。

「昔からこの条件で採れていた」ではなく、現在の周辺求人と比較して条件を見直すことが必要です。

④ 採用しても定着しない

人手不足は応募数だけの問題ではありません。実際に働き始めてから、想定以上に体力を使う、時間内に作業を終えるのが難しい、現場ルールが分からないといったギャップがあれば、早期離職につながります。毎月採用していても同じ人数が辞めていれば、人手不足は解消しません。

⑤ 人が行う作業が多い

清掃ロボットや機械を導入できる作業は増えていますが、すべてを自動化できるわけではありません。トイレ、階段、客室、細部の拭き上げなど、人による対応が残る現場も多くあります。そのため、採用だけでなく「人がやらなくてもよい作業を減らせないか」という視点も必要です。

まず「採れない」「辞める」「人手がかかる」を分ける

清掃業の人手不足対策は、原因を3つに分けると整理しやすくなります。求人を出しても応募が来ないなら「採れない」。採用できるのに短期間で辞めるなら「辞める」。必要人数そのものが多いなら「人手がかかる」。

この3つでは対策が違います。応募が来ない会社が研修だけ改善しても採用数は増えません。逆に、離職が多い会社が求人媒体を増やし続けても採用コストが膨らみます。

対策1 求人条件を周辺求人と比較する

最初に確認したいのは、現在の求人条件です。時給、勤務時間、勤務日数、交通費、勤務地、仕事内容、未経験可否などを、同じエリアの求人と比較します。

特に清掃では勤務時間が応募可能な人の範囲を大きく左右します。現場運営上可能であれば、開始時刻を少しずらす、1人の長時間勤務ではなく複数人に分けるなど、シフト自体を見直す余地がないか検討します。

対策2 求人票を「清掃スタッフ」で終わらせない

求人票には、清掃する場所、具体的な作業、勤務時間、一人かチームか、利用客との応対の有無などを書きます。未経験者を採りたいなら、最初に何を教えるのかも伝えます。

仕事を軽く見せるために「誰でも簡単」と書くより、実際の仕事内容を正確に伝える方が入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。具体的な見直し方は清掃員の採用方法|求人を出しても人が集まらない会社の7つの改善策で解説しています。

対策3 採用経路を増やす

求人媒体、自社採用ページ、ハローワーク、人材紹介など、採用経路は一つではありません。重要なのは媒体数を増やすことではなく、採りたい人に求人が届いているかです。

短時間勤務を希望する近隣住民を採りたい場合と、週20時間前後働きたい学生を採りたい場合では、求人の届け方も変わります。

対策4 定着しない原因を採用前から減らす

清掃の仕事には、立ち仕事、時間内に一定範囲を終える作業、早朝勤務などがあります。大変な部分を隠して採用すると、入社後のギャップになります。

一方で、勤務時間が明確、未経験から始めやすい現場がある、短時間勤務と相性がよいなど、清掃ならではの働き方もあります。良い面と大変な面の両方を具体的に伝えることが大切です。

対策5 省力化できる作業を分ける

床面など機械化しやすい作業は、清掃機器やロボットの導入を検討できます。「人を採るか、機械を入れるか」の二者択一ではありません。機械に任せられる作業を減らし、人にしかできない作業へスタッフを配置することで、必要人数を抑えられる可能性があります。

それでも集まらないなら、採用対象を広げる

求人条件、募集方法、定着、省力化を見直しても必要人数を確保できない場合は、採用対象そのものを広げる段階です。その選択肢の一つが外国人・外国人留学生です。

これは「清掃は外国人向き」という意味ではありません。日本人採用で必要人数を確保できている会社なら、無理に対象を変える必要はありません。採用対象を広げる目的は、国籍で人を選ぶことではなく、これまで求人が届いていなかった候補者にも仕事を知ってもらうことです。

留学生アルバイトを清掃スタッフとして採用する

資格外活動許可(包括許可)の上限

通常期は1週について28時間以内、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間中は1日について8時間以内です。複数の勤務先で働いている場合は、その合計が1週について28時間以内である必要があります。

清掃の短時間シフトと留学生の希望が合う場合は採用候補になりますが、「留学生なら早朝に働ける」と決めつけてはいけません。授業時間、通学、他のアルバイトを含め、本人の勤務可能時間を確認します。在留カードや資格外活動許可の確認と、採用後の勤務時間の管理は、雇用する企業が行います。

特定技能「ビルクリーニング」という選択肢もある

2026年10月現在、特定技能には「ビルクリーニング」分野があります。対象となる主な業務は建築物内部の清掃です。特定技能1号では技能試験と日本語要件などがあり、受入れ企業側にも要件があります。

厚生労働省によると、特定技能外国人を受け入れる営業所は、都道府県知事から建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録を受けていることなどが必要です。つまり、「清掃会社ならどこでも特定技能を採用できる」という制度ではありません。

なお、HR AGENCYは登録支援機関ではなく、特定技能1号の支援業務は行っていません。特定技能を検討する場合は、出入国在留管理庁・厚生労働省の最新要件をご確認ください。

清掃の人手不足対策は、採用方法を一つに決めない

清掃業の人手不足は、求人広告を増やせば終わる問題ではありません。応募が来ないなら求人条件と募集経路を見直す。採用しても辞めるならミスマッチを減らす。必要人数が多いなら省力化を考える。それでも足りなければ、日本人だけに限定せず外国人・留学生まで候補者を広げる。

この順番で考えると、自社が次に何をすべきかが見えやすくなります。

外国人留学生まで採用対象を広げたい清掃会社へ

HR AGENCYは、外国人材を紹介する有料職業紹介事業者です。募集する職種・勤務地・勤務時間などの条件に合う候補者をご紹介します。外国人留学生のアルバイト採用はUNIWAVE WORK、専門職の正社員採用はUNIWAVE CAREERでご利用いただけます。

外国人採用について相談する →

ご相談は無料です。現在の募集条件のご質問だけでも構いません。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度や運用は改正される場合があります。最新の要件は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公的機関でご確認ください。

出典:出入国在留管理庁「ビルクリーニング分野」「資格外活動許可について」/厚生労働省「ビルクリーニング分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」・「育成就労」について)」
2026年10月時点

30秒でわかる貴社に合う外国人採用がわかる無料診断かんたんな質問に答えるだけ。登録不要・30秒で完了します。
無料診断する →

監修

HR AGENCYの外国人材紹介

HR AGENCYは、外国人材を紹介する有料職業紹介事業者です(厚生労働大臣許可 13-ユ-317049)。募集する職種・勤務地・勤務時間などの条件に合う候補者をご紹介します。

運営会社について詳しく見る

30秒診断