留学生の国内就職率はどのくらい? 最新データから見る就職支援の課題と可能性

教育機関向け|留学生の就職支援

留学生の国内就職率は
どのくらい?最新データから見る
就職支援の課題と可能性

「留学生の就職率はどのくらいか」を、最新の公的データから読み解きます。就職者数の推移、国籍別の傾向、進学率との比較、就職率が高い分野まで整理し、学校担当者が数字をどう読み、就職支援にどう活かすかまで踏み込んで解説します。

✓ 最新の就職者数
✓ 国籍別の傾向
✓ 進学率との比較
✓ 数字の読み方

はじめに

留学生の国内就職率は今どのくらいか

日本語学校・専門学校・大学のキャリアセンターで留学生の就職支援に取り組む担当者にとって、「自校の支援は十分なのか」を判断する出発点になるのが、全国の就職率データです。本記事では、出入国在留管理庁・JASSO・文部科学省などの公的データをもとに、留学生の国内就職の現状を整理し、それぞれの数字を学校現場でどう読むべきかまで解説します。

結論から述べると、留学生が日本企業へ就職する人数は長期的に増加を続けている一方で、卒業後にそのまま国内で就職できている割合は約3割にとどまり、日本での就職を希望する留学生の数には届いていません。つまり「就職者数は伸びているが、希望と実態のギャップは依然として大きい」というのが現状です。

就職者数の推移

最新データで見る留学生の就職者数

まず押さえたいのが、留学生が「留学」から就労資格へ在留資格を変更し、日本企業等へ就職した人数です。出入国在留管理庁の最新統計では、令和6年(2024年)の許可数は39,766人でした。

39,766
令和6年に就労資格へ
変更が許可された留学生
96.7%
在留資格変更許可申請
に対する許可率
約3倍超
10年前(平成26年
12,958人)からの増加

許可数は平成26年(2014年)の12,958人から令和6年の39,766人へと、10年間で約3倍に増えています。なお令和5年からは「特定技能1号」等も集計対象に加わったため、近年の数字はそれ以前とは集計範囲が異なる点に注意が必要です。

この数字をどう読むか:許可率が96.7%と高いことは、「申請まで到達できれば、ほとんどが許可される」ことを意味します。裏を返せば、就職率を左右する本当のボトルネックは入管審査ではなく、その手前——内定獲得や、専攻と職務の関連性を満たす求人とのマッチング——にあるということです。学校の支援はこの「申請にたどり着くまで」に集中させるのが効果的です。

出典:出入国在留管理庁「令和6年における留学生の日本企業等への就職状況について」(令和7年11月)

国籍別の傾向

国籍別に見る就職の傾向

就職した留学生を国籍・地域別に見ると、上位5か国で全体の約75%を占めています。令和6年の許可数上位は次のとおりです。

中国
36.5%

ベトナム
21.3%

ネパール
9.8%

韓国
4.2%

インドネシア
3.3%

地域別ではアジアが93.9%を占めます。注目すべきは経年の変化で、インドネシア(令和元年1.5%→令和6年3.3%)やミャンマー(同1.9%→3.1%)が伸びる一方、ネパールは令和5年14.5%から令和6年9.8%へと比率を下げています。

この数字をどう読むか:国籍構成は、自校の在籍者の出身国がどれだけ「就職実績のある層」と重なっているかを測る参考になります。ただし、出身国そのものが就職を左右するわけではありません。担当者がより注目すべきは国籍より日本語力と専攻で、企業に学生を紹介する際は「どの国の出身か」ではなく「何を学び、どの程度の日本語力を持つか」を軸に伝えるほうが、マッチングは進みやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「令和6年における留学生の日本企業等への就職状況について」

進学率との比較

就職率と進学率の比較で見える現状

就職者数は増えているのに、「就職率」で見ると高くないのはなぜか。ここで分母にあたる卒業者数と、進路全体の中での位置づけを確認します。

文部科学省・JASSOの資料によると、国内の高等教育機関を卒業・修了した留学生のうち、実際に国内で就職した者の割合は約30%にとどまっています。一方で、日本国内での就職を希望する留学生は、調査によって43.8%(単一回答)〜58.0%(複数回答可)とされており、「希望する割合」と「実現した割合」の間には大きな差があります。

約30%
卒業・修了した留学生のうち
国内で就職した割合
約6
日本での就職を
希望する留学生(複数回答)
6割目標
政府が2033年までに
掲げる国内就職率の目標

政府は「教育振興基本計画」等で、外国人留学生の国内就職率を2033年までに6割(国内進学者を除く)へ引き上げる目標を掲げています。つまり現状の約30%を倍増させる必要があり、各教育機関の就職支援の強化が政策的にも求められている局面です。

この数字をどう読むか:「希望は約6割、実現は約3割」という差は、半数近くの留学生が”就職したいのに就職できていない”ことを示します。これは学校にとって、支援の余地が大きいということでもあります。卒業後の進路を「進学」「帰国」「就職」に分けて自校の実態を把握すると、どこに支援を集中すべきかが見えてきます。

出典:JASSO「外国人留学生進路状況調査」、文部科学省・出入国在留管理庁資料、「教育振興基本計画」(令和5年6月)

就職先の傾向

就職率が高い分野・業種・職種

どのような分野で就職が決まっているかを知ると、学生にどの方向の求人を勧めるべきかが見えてきます。令和6年のデータから、業種・職種・在留資格の傾向を整理します。

業種
非製造業が86.4%を占め、なかでも小売業(10.2%)、情報通信業(9.3%)、飲食サービス業(8.2%)、学術研究・専門技術サービス業(7.9%)が上位。製造業は13.6%。
職務内容
翻訳・通訳(12.5%)、情報処理・通信技術(9.5%)、管理業務(8.7%)、海外取引業務(4.7%)が上位。上位4種で全体の35.4%。
在留資格
「技術・人文知識・国際業務」が78.9%と大半を占め、次いで「特定技能1号」(6.3%)、「特定活動」(6.0%)。
企業規模
従業員100人未満の企業に就職した者が55.8%。資本金500万円以下が27.3%で最多。中小企業が主な受け皿。
所在地
東京都が42.4%、大阪府12.2%、神奈川県5.6%と、首都圏・大都市圏に集中。

この数字をどう読むか:就職先の中心は「翻訳・通訳や海外取引といった、母語と日本語の両方を活かす職種」と「情報処理などの専門技術職」です。また受け皿の多くは中小企業であり、有名大企業だけを志望する学生には、視野を広げる助言が有効です。企業規模より事業内容で選ぶ視点を学生に伝えると、選択肢は大きく広がります。専門学校の場合は、就職先の業種が学生の専攻と関連しているかが在留資格審査に直結するため、専攻に合った業種を意識した支援が重要になります。

出典:出入国在留管理庁「令和6年における留学生の日本企業等への就職状況について」

学歴別の傾向

最終学歴別に見る就職の構成

就職が許可された留学生を最終学歴別に見ると、大学卒が44.7%と最も多く、次いで専修学校卒が24.5%、大学院(修士・博士)が24.0%でした。大学卒と大学院卒を合わせると全体の68.7%を占めます。

この数字をどう読むか:専修学校(専門学校)卒が約4分の1を占めており、専門学校は留学生の国内就職の重要なルートになっています。ただし専門学校卒の場合、在留資格審査で専攻と職務の関連性がより厳密に問われるという特徴があります。この点は制度面の理解が欠かせないため、別記事で詳しく解説しています。

出典:出入国在留管理庁「令和6年における留学生の日本企業等への就職状況について」

担当者の視点

この数字を学校担当者はどう活かすか

ここまでのデータを、学校現場での就職支援にどうつなげるか。担当者が押さえておきたいポイントを4点に整理します。

1

「就職者数」と「就職率」を分けて見る

就職者数は全国で増加傾向ですが、卒業者を分母にした就職率は約3割です。自校でも「何人就職したか」だけでなく「就職希望者のうち何割が就職できたか」を把握すると、支援の課題が見えやすくなります。

2

ボトルネックは入管審査の手前にある

許可率は96.7%と高く、申請まで到達すればほぼ許可されます。支援の力点は、内定獲得と、専攻に合った求人とのマッチングという「申請にたどり着くまで」に置くのが効果的です。

3

受け皿は中小企業に広がっている

就職先の半数超は従業員100人未満の企業です。大企業志向の学生に対しては、事業内容で企業を選ぶ視点を伝え、中小企業も含めた選択肢を示すことが就職率向上につながります。

4

企業との接点を増やすことが鍵

希望と実現のギャップを埋めるには、学生に紹介できる求人の幅を広げることが欠かせません。企業説明会や企業開拓を通じて接点を増やす取り組みが、就職率を底上げします。

外部連携

就職支援は学校だけで抱える必要はありません

データが示すとおり、留学生の就職支援には「企業との接点を増やす」「専攻に合った求人を見つける」という、現場だけでは負担の大きい工程が伴います。こうした部分は、企業ネットワークを持つ外部パートナーと連携することで、学校の負担を抑えながら学生に提供できます。

HR AGENCYでは、教育機関との連携を進めています。現在は首都圏を中心に、企業紹介・企業説明会支援・就職支援・インターン支援を行っています。費用面については、連携内容によって異なります。詳細は個別にご相談ください。

よくある質問

FAQ|留学生の就職率について

留学生の国内就職率はどのくらいですか?

国内の高等教育機関を卒業・修了した留学生のうち、実際に国内で就職した割合は約30%とされています。一方で日本での就職を希望する留学生は約6割(複数回答可の調査)にのぼり、希望と実態の間に差があります。政府は2033年までに国内就職率6割を目標に掲げています。

留学生の就職者数は増えているのですか?

増加傾向です。「留学」から就労資格へ在留資格を変更し就職した人数は、令和6年(2024年)に39,766人で、10年前の約3倍に増えています。ただし令和5年から特定技能1号等が集計に加わったため、それ以前との単純比較には注意が必要です。

留学生はどのような業種・職種に就職していますか?

業種では非製造業が86.4%を占め、小売業・情報通信業・飲食サービス業などが上位です。職種では翻訳・通訳、情報処理・通信技術、管理業務が多く、母語と日本語を活かす職種や専門技術職が中心です。就職先の半数超は従業員100人未満の企業です。

就職率を高めるために学校ができることは何ですか?

許可率は96.7%と高く、課題は申請の手前にあります。内定獲得と、専攻に合った求人とのマッチング支援、企業説明会や企業開拓による接点づくりが効果的です。企業ネットワークを持つ外部パートナーと連携し、学校の負担を抑えながら求人の幅を広げる方法もあります。

留学生の就職支援・企業開拓で
お悩みではありませんか?

HR AGENCYでは、日本語学校・大学・専門学校向けに、次のような連携を行っています。

企業紹介企業説明会就職支援インターン支援
現在は首都圏を中心に支援しています。お気軽にご相談ください。

外国人留学生の採用をお考えの企業の方へ

HR AGENCYは、提携教育機関のネットワークを活かし、貴社の採用ニーズに合った外国人留学生をご紹介しています。アルバイトから新卒・中途の専門職まで対応可能です。

採用について相談する →

本記事の統計は、出入国在留管理庁「令和6年における留学生の日本企業等への就職状況について」(令和7年11月)、JASSO・文部科学省の各種資料をもとに作成しています。数値は公表時点のものであり、最新の状況は各機関の公表資料をご確認ください。

30秒でわかる貴社に合う外国人採用がわかる無料診断かんたんな質問に答えるだけ。登録不要・30秒で完了します。
無料診断する →

監修

HR AGENCY(外国人採用支援サービス)

外国人アルバイト紹介・外国人正社員紹介・外国人採用コンサルティングを提供。首都圏を中心に、企業向けの外国人採用支援を行っています。

運営会社について詳しく見る

30秒診断