外国人雇用契約書の作り方|記載すべき項目・翻訳の要否・トラブル防止

コラム|外国人採用の実務

外国人雇用契約書の作り方|記載すべき項目・翻訳の要否・トラブル防止

外国人を採用するときの雇用契約書(労働条件通知書)の作り方を解説します。必ず記載すべき項目、母国語併記の必要性、よくあるトラブルと防ぎ方、契約書に盛り込むべきポイントを企業担当者向けにまとめました。

✓ 記載すべき項目 ✓ 翻訳版の要否 ✓ トラブル防止 ✓ 企業向け
この記事の概要

外国人にも労働基準法は同じく適用される

外国人を雇うときも、日本人と同じく労働基準法が適用され、労働条件の明示が義務です。契約書(労働条件通知書)には賃金・労働時間・業務内容などを明記します。外国人採用で特に大切なのは、本人が理解できる言語で示すこと。言葉の行き違いは、入社後のトラブルや早期離職の大きな原因になります。

雇用契約書を取り交わす様子
結論:外国人の雇用契約書は、日本人と同じ労働条件明示のルールに加えて「本人が理解できる言語で示す」ことが重要です。母国語またはやさしい日本語の併記で認識のズレを防ぎ、在留資格で認められた業務の範囲内で契約することが、トラブル防止の基本です。

雇用契約書とは(労働条件の明示義務)

雇用契約書は、企業と労働者が労働条件を合意したことを示す書面です。労働基準法では、労働者を雇い入れる際に一定の労働条件を書面などで明示することが義務づけられており(労働条件の明示)、これは国籍を問わず外国人にも同様に適用されます。

実務では「労働条件通知書」と「雇用契約書」を兼ねた書面を取り交わすのが一般的です。明示が必要な主な事項には、契約期間、就業場所・業務内容、始業終業時刻、休憩・休日、賃金、退職に関する事項などがあります。

外国人採用で記載すべき項目

基本の労働条件に加え、外国人採用では特に明確にしておきたい項目があります。

項目記載のポイント
業務内容在留資格で認められた範囲の業務であることを明確に。技人国なら専門業務、留学生アルバイトなら資格外活動の範囲内。
労働時間留学生など資格外活動の場合は、週28時間以内など上限を踏まえた時間設定にする。
賃金金額、計算方法、支払日、控除(税・社会保険)をわかりやすく明記。
就業場所勤務する事業所を明確に。
契約期間・更新期間の定めの有無、更新条件を明確に。
退職・解雇退職手続きや解雇事由をわかりやすく記載。
重要:業務内容は在留資格の範囲内であることが大前提です。技人国の人に単純作業を任せる、留学生に週28時間を超えて働かせるといった契約は、不法就労につながるおそれがあります。技人国とは?もあわせて確認しましょう。

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翻訳版は必要か

法律上、契約書を必ず外国語にしなければならないという義務はありません。ただし、本人が内容を理解できることが極めて重要です。理解しないまま署名した契約は、後の「聞いていない」というトラブルの原因になります。

  • 母国語の併記:本人の母国語(英語・ベトナム語など)を併記すると、認識のズレを防げます。
  • やさしい日本語:難しい表現を避け、平易な日本語で書くことも有効です。
  • 口頭での説明:書面を渡すだけでなく、重要点は口頭でも説明し、理解を確認しましょう。

厚生労働省は外国人労働者向けに、複数言語の労働条件通知書のモデル様式を提供しています。これらを活用すると、母国語併記の契約書を作りやすくなります。

よくあるトラブルと防ぎ方

よくあるトラブル防ぎ方
「聞いていた条件と違う」賃金・時間・控除を書面で明示し、母国語併記+口頭説明で理解を確認。
手取り額の認識のズレ税・社会保険の控除を事前にわかりやすく説明する。
残業・休日の認識違い所定時間・残業の扱い・休日を具体的に明記する。
在留資格の範囲外業務契約時に業務内容が在留資格の範囲内か確認する。

採用前の確認漏れ防止には外国人採用チェックリスト、入社後の定着には外国人社員の定着率を上げるオンボーディングもご覧ください。

契約書づくりのポイント

  • 労働条件を書面で明示:労働基準法の明示事項を漏れなく記載する。
  • 理解できる言語で:母国語併記またはやさしい日本語で、本人の理解を確保する。
  • 在留資格の範囲内で:業務内容・労働時間が在留資格に適合しているか確認する。
  • 控除を明確に:税・社会保険など手取りに関わる点を丁寧に説明する。
サンプルの入手先:厚生労働省が多言語の「労働条件通知書」モデル様式を公開しています。自社の雇用契約書のベースとして活用し、上記の項目を自社の実態に合わせて記載すると、過不足のない契約書を作りやすくなります。

まとめ

外国人の雇用契約書は、日本人と同じ労働条件明示のルールに従いつつ、「本人が理解できる言語で示す」ことが最大のポイントです。母国語併記やさしい日本語、口頭説明で認識のズレを防ぎ、業務内容と労働時間が在留資格の範囲内であることを確認しましょう。厚生労働省の多言語モデル様式を活用すれば、初めての企業でも適切な契約書を作成できます。

よくある質問

このテーマについてよくある質問

外国人の雇用契約書は外国語で作る義務がありますか?
法律上の義務はありません。ただし本人が理解できることが重要なので、母国語併記やさしい日本語での明示をおすすめします。
契約書のサンプルはどこで手に入りますか?
厚生労働省が多言語の労働条件通知書モデル様式を公開しています。これをベースに自社の内容を記載するとよいでしょう。
留学生アルバイトの契約で注意することは?
資格外活動許可の範囲(原則週28時間以内)を踏まえた労働時間にすることです。掛け持ちの合計時間にも注意します。
どんな項目を必ず書くべきですか?
契約期間、就業場所、業務内容、労働時間、休日、賃金、退職に関する事項などです。労働基準法の明示事項を漏れなく記載します。
手取り額のトラブルを防ぐには?
税・社会保険などの控除を事前にわかりやすく説明し、額面と手取りの違いを理解してもらうことが有効です。

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参考・出典:厚生労働省「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」、労働基準法(労働条件の明示)。明示事項・様式の詳細および最新情報は、厚生労働省の公表情報をご確認ください(本記事は2026年6月時点の公開情報に基づきます)。

※本記事は外国人の雇用契約に関する一般的な解説を企業担当者向けに整理したものです。個別の契約内容は社会保険労務士等の専門家にご確認ください。

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