外国人を専門職の正社員として採用する場合、対象となる代表的な在留資格が「技術・人文知識・国際業務」(技人国)です。令和7年末時点で、この在留資格を持つ外国人は全国で475,790人。本記事では、出入国在留管理庁の統計をもとに、技人国の在留資格を持つ人が多い国・地域を実数で整理します。在留外国人数の多さとは順位が異なる点に、この記事の意味があります。
外国人採用では、国籍ではなく在留資格から考えることが重要です。本記事は「技人国」という1つの切り口を解説しています。まず全体像を知りたい方は、外国人採用は国籍ではなく在留資格で考えるをご覧ください。
この記事の要点
- 技人国(技術・人文知識・国際業務)の在留者数は、令和7年末で全国475,790人
- 実数の最多はベトナム(121,079人)、次いで中国(117,314人)
- インドは実数で第8位(14,567人)。在留外国人数では上位10か国・地域に入らないが、技人国では上位に入る
- 米国・バングラデシュ・パキスタンなども、在留外国人数の順位より技人国の順位が高い
- 技人国の実数が多いことは、採用のしやすさを意味しない。就ける業務は専門分野に限定される
技人国(技術・人文知識・国際業務)とは
「技術・人文知識・国際業務」は、専門的・技術的分野の業務に従事する外国人のための在留資格です。実務では「技人国(ぎじんこく)」と略されます。外国人を専門職の正社員として採用する場合、対象となる代表的な在留資格です。
就ける業務は、大きく3つに分かれます。理学・工学などの技術分野(技術)、法律学・経済学などの人文科学分野(人文知識)、外国の文化に基盤を持つ思考や感受性を必要とする業務(国際業務)です。単純作業や現場作業には従事できません。
この記事は「実数」で見ています
本記事のランキングは、各国・地域の技人国の在留者数(実数)で並べています。総在留者数に占める比率とは異なります。また、在留者数は採用可能人数ではありません。転職市場に出ている人数を示すものではない点にご注意ください。
技人国の国籍・地域別ランキング(令和7年末)
出入国在留管理庁の統計(第2表)から、技人国の在留者数が多い上位15か国・地域は次のとおりです。「主な在留資格」は、各国・地域で人数の多い在留資格の上位を示しています。
※横にスクロールできます
| 順位 | 国・地域 | 技人国 | 総在留者数 | 主な在留資格 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ベトナム | 121,079 | 681,100 | 技能実習・特定技能・技人国 |
| 2 | 中国 | 117,314 | 930,428 | 永住者・留学・技人国 |
| 3 | ネパール | 48,813 | 300,992 | 留学・家族滞在・技人国 |
| 4 | 韓国 | 28,457 | 407,341 | 永住者・技人国・留学 |
| 5 | スリランカ | 20,461 | 79,128 | 技人国・留学・家族滞在 |
| 6 | ミャンマー | 17,167 | 182,567 | 特定技能・特定活動・留学 |
| 7 | 台湾 | 16,847 | 73,256 | 永住者・技人国・留学 |
| 8 | インド | 14,567 | 58,999 | 技人国・家族滞在・永住者 |
| 9 | フィリピン | 11,485 | 356,579 | 永住者・定住者・技能実習 |
| 10 | インドネシア | 10,424 | 266,069 | 技能実習・特定技能・技人国 |
| 11 | 米国 | 9,100 | 69,787 | 永住者・日本人の配偶者等・技人国 |
| 12 | バングラデシュ | 8,719 | 44,938 | 留学・家族滞在・技人国 |
| 13 | パキスタン | 7,860 | 34,911 | 家族滞在・技人国・永住者 |
| 14 | モンゴル | 4,452 | 21,359 | 家族滞在・留学・技人国 |
| 15 | 英国 | 3,615 | 22,428 | 永住者・技人国・日本人の配偶者等 |
上位15か国・地域で、全国の技人国(475,790人)の95%以上を占めます。
※出入国在留管理庁統計では「中国〔香港〕」が別掲されていますが、本記事では中国の内数としてランキングから除外しています。
このランキングの見方
技人国の実数が多いことは、採用のしやすさを意味しません
本記事は、技人国の在留資格を持つ人がどの国・地域に多いかを、出入国在留管理庁の統計から整理したものです。在留者数は採用可能人数ではなく、転職市場に出ている人数でもありません。また、個々人の能力・適性・日本語力を示すものではなく、国籍によって採否を判断すべきという趣旨でもありません。
技人国は専門的・技術的分野の在留資格です。担当する業務が専門分野に該当することが、採用の前提となります。実数が多い国・地域であっても、自社の求める職種・スキルに合致するかどうかは、個別に判断する必要があります。
在留外国人数ランキングとの違い
技人国のランキングは、在留外国人数のランキングとは順位が異なります。専門職として在留している人の分布は、在留者総数の分布と一致しないためです。
| 比較 | 在留外国人数ランキング | 技人国ランキング |
|---|---|---|
| 見えるもの | 日本に住む外国人全体 | 専門職として働く外国人 |
| 向いている用途 | 市場全体の把握 | 専門職の正社員採用の検討 |
| 元データ | 在留外国人統計 | 在留資格別統計 |
| 上位に入る例 | ブラジル・韓国など | インドが第8位に入る |
在留外国人数では上位に入らないが、技人国では上位の国
インドは技人国で第8位(14,567人)です。在留外国人数(58,999人)では上位10か国・地域に入りませんが、技人国に限ると、フィリピン(11,485人)やインドネシア(10,424人)を上回ります。総在留者数に占める技人国の割合も24.7%と高い水準です。
同様に、米国(第11位・9,100人)、バングラデシュ(第12位・8,719人)、パキスタン(第13位・7,860人)も、在留外国人数の順位より技人国の順位が高くなっています。
在留外国人数は多いが、技人国の比率が低い国
反対に、フィリピン(技人国3.2%)やインドネシア(技人国3.9%)は、在留外国人数では上位に入りますが、技人国の比率は低い水準です。これらの国・地域では、身分系(フィリピン)や技能実習・特定技能(インドネシア)が構成の中心となっています。
つまり、専門職の採用を検討する場合と、現場系の採用を検討する場合とでは、見るべき国・地域が変わります。在留外国人数の順位だけでは、採用計画は立てられません。
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採用時に確認すべきこと
技人国の在留資格を持つ方を採用する場合、確認事項は国籍にかかわらず共通です。
- 在留カードの原本を確認する — 表面の「在留資格」欄が「技術・人文知識・国際業務」であることを確認します
- 在留期限を確認する — 期限が近い場合は、更新手続きの見込みも含めて確認します
- 業務内容が在留資格の範囲内か確認する — 単純作業や現場作業には従事できません。担当業務が専門分野に該当することが必要です
- 学歴・職歴との関連性を確認する — 技人国は、大学等での専攻内容や実務経験と、業務内容の関連性が求められます
- 外国人雇用状況の届出を行う — 雇い入れ時・離職時に、ハローワークへの届出義務があります
在留資格を確認したうえで、自社で採用可能か判断が難しい場合は、専門家へ相談する方法もあります。
よくある質問
技人国の在留者数が多い国から採用すべきですか。
在留者数の多さは、採用のしやすさを示すものではありません。技人国は専門分野の業務に限定されるため、自社の求める職種・スキルに合致するかを個別に判断する必要があります。また、職業安定法により国籍を理由とする差別的な取扱いは認められていません。
なぜインドが技人国の上位に入るのですか。
令和7年末時点で、インドの技人国は14,567人で第8位です。インドの在留外国人数(58,999人)のうち、技人国が24.7%を占めています。在留外国人数では上位10か国・地域に入りませんが、専門職として在留している人の割合が高いため、技人国では上位に入ります。
技人国と高度専門職は違いますか。
別の在留資格です。高度専門職は、ポイント制により高度人材と認められた外国人のための在留資格で、令和7年末時点の全国の人数は技人国より大幅に少なくなっています。本記事のランキングは、技人国(技術・人文知識・国際業務)のみを対象としています。
技人国の方に、繁忙期だけ現場作業を任せられますか。
できません。技人国は専門的・技術的分野の業務に限定されます。単純作業や現場作業に従事させた場合、在留資格の範囲を超えることになり、企業側が不法就労助長罪に問われるおそれがあります。
採用選考で国籍を条件にしてよいですか。
職業安定法および厚生労働省の指針により、国籍を理由とする差別的な取扱いは認められていません。確認すべきは在留資格と就労制限の有無であり、国籍そのものではありません。
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出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計(令和7年12月末)第2表(国籍・地域別 在留資格別 在留外国人数)」(政府統計の総合窓口 e-Stat)をもとに当社集計/出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」(令和8年3月公表)/在留資格「技術・人文知識・国際業務」関連情報/出入国管理及び難民認定法 別表第一・第19条・第73条の2/職業安定法 第3条/厚生労働省「外国人雇用状況の届出」関連情報
数値について:技人国の実数および総在留者数は、政府統計の総合窓口(e-Stat)で公表されている令和7年末の在留外国人統計をもとにしています。「主な在留資格の構成」は、各国・地域で人数の多い在留資格を当社が整理したものです。「中国〔香港〕」は中国の内数として、ランキングから除外しています。表示桁数未満は四捨五入しています。
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の採用にあたっては、出入国在留管理庁または行政書士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。
当社について:株式会社HRエージェンシー/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-317049。登録支援機関の登録は受けておりません。
最終更新:2026年7月
監修
HR AGENCY(外国人採用支援サービス)
外国人アルバイト紹介・外国人正社員紹介・外国人採用コンサルティングを提供。首都圏を中心に、企業向けの外国人採用支援を行っています。


