外国人採用の費用|採用方法・在留資格別の内訳と、判断のしかた
外国人採用にかかる費用を、採用方法別・在留資格別に整理します。「外国人だから高い/安い」ではなく、何にいくらかかり、どこが日本人採用と違うのかを分けて考えます。
費用は「外国人かどうか」では決まりません
外国人採用の費用を「1名あたり◯万円」と一律に示すことはできません。費用の構造を決めるのは、どの採用方法を使うかとどの在留資格の方を雇うかの2つです。この2つが決まれば、何にいくらかかるかはかなり具体的に見えてきます。
逆に、業種によって変わる部分は思うほど大きくありません。飲食の深夜割増も介護の夜勤手当も、日本人を雇っても同じように発生する費用だからです。この記事では、外国人採用だから発生する費用と、その仕事だから発生する費用を分けて整理します。
費用は「初期費用」と「継続費用」に分けて考える
外国人採用にかかる費用は、採用が決まるまでに一度だけ発生するものと、雇用を続けている間ずっと発生するものに分かれます。この2つを混ぜて考えると、「思ったより高くついた」という結果になりがちです。
| 区分 | 主な項目 | 発生のしかた |
|---|---|---|
| 初期費用 | 求人媒体の掲載費、人材紹介の手数料、面接・選考の工数、在留カードの確認、入社手続き、入社時研修 | 採用時に一度 |
| 継続費用 | 給与・社会保険料、残業・深夜・休日の割増賃金、教育やフォローの工数、在留期間更新の時期管理 | 雇用を続ける間 |
このうち給与と社会保険料は、日本人を雇う場合とまったく同じです。労働基準法にも社会保険の適用にも国籍要件はありません。外国人だから安く雇えるということはなく、同じ仕事なら同じ報酬を支払う必要があります。
採用方法によって費用構造はどう変わるか
採用方法ごとに、費用がいつ発生するかが違います。金額の大小より、この違いのほうが実務では効いてきます。
| 採用方法 | 料金体系 | 費用が発生するタイミング | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 求人媒体 | 掲載課金・応募課金・採用課金(媒体により異なる) | 掲載型は応募が来なくても発生。採用課金型は採用時 | 継続的に募集をかけたい |
| 人材紹介 | 成功報酬 | 採用が決まったとき | 条件を絞って探したい |
| 自社採用(リファラル・直接応募) | 費用は原則かからない | — | すでに母集団がある |
| 人材派遣 | 時間単価にマージンを含む | 稼働している間ずっと | 一時的な増員 |
掲載課金と成功報酬のどちらが安くなるかは、何名採るか、どのくらいの期間で採るかで変わります。1名だけ採る場合と10名採る場合では逆転することもあるため、「こちらが安い」と一律には言えません。
なお求人媒体の掲載費は、媒体・プラン・エリア・職種によって幅が大きく、公表されている料金表も各社で体系が異なります。相場として一つの金額を挙げることは避け、実際に検討している媒体の料金表で確認することをおすすめします。
在留資格・雇用形態によって変わる費用
ここが外国人採用で日本人採用と構造が違う部分です。在留資格によって、必要な手続きも、企業が負う義務も変わります。
技術・人文知識・国際業務(技人国)— 正社員採用
専門職の正社員採用で使われる在留資格です。費用構造は日本人の中途・新卒採用とほぼ同じで、人材紹介を使う場合は理論年収に料率をかけた成功報酬が一般的です。
| 採用区分 | 紹介料(HR AGENCYの目安) |
|---|---|
| 新卒(技人国) | 理論年収の20%〜 |
| 中途(技人国・高度人材) | 理論年収の30%〜 |
※採用難易度が高いポジションでは料率が変動する場合があります。
これに加えて、在留資格の変更・認定などで申請手続きが必要になる場合があります。専門家へ依頼する場合は、別途その報酬等が発生します。
特定技能1号 — 支援の実施義務が費用に直結する
特定技能1号の対象は、2026年1月23日の閣議決定により19分野となっています。在留期間は通算5年までで、家族帯同は原則認められていません。
費用の面では、特定技能1号は他の在留資格と構造が大きく違います。受入れ企業に「支援」の実施が法律で義務づけられているためです。
受入れ機関は1号特定技能外国人支援計画を作成し(入管法第2条の5第6項)、その計画に基づいて支援を実施しなければなりません(同法第19条の22第1項)。支援には次の10項目が含まれ、このすべてを実施する必要があります。
| 義務的支援の項目 |
|---|
| 1. 事前ガイダンスの提供 |
| 2. 出入国する際の送迎 |
| 3. 適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援 |
| 4. 生活オリエンテーションの実施 |
| 5. 公的手続等への同行 |
| 6. 日本語学習の機会の提供 |
| 7. 相談又は苦情への対応 |
| 8. 日本人との交流促進に係る支援 |
| 9. 外国人の責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合の転職支援 |
| 10. 定期的な面談の実施、行政機関への通報 |
支援の実施方法は2つあります。受入れ企業が自社で行う方法と、登録支援機関へ委託する方法です。支援計画の全部を登録支援機関に委託した場合、受入れ機関側の支援体制に関する基準を満たしたものとして扱われます(入管法第2条の5第5項)。
ただし、全部を委託しても支援計画の作成は受入れ企業が行います。また、支援の実施状況を含む定期届出の義務も受入れ企業に残ります。委託すれば手が離れるというものではありません。
項目ごとの負担の範囲は、出入国在留管理庁の運用要領で整理されています。たとえば空港と住居・事業所の間の送迎に要する実費、家賃債務保証業者を利用した場合の保証料、公的手続を申請取次で行う場合の費用は、受入れ機関の負担とされています。一方で、住居の敷金・礼金や家賃そのものについては、受入れ機関が負担することまでは求められていません。
このほか、分野別の協議会への加入、年1回の定期届出(令和7年4月1日から四半期ごとではなく1年に1回に変更されました)、契約や支援計画に変更があった場合の随時届出といった手続きも、受入れ企業の側に発生します。
なお、登録支援機関への委託費については、金額も契約形態も機関によって異なります。制度上決まった金額はありませんので、実際に委託を検討する機関から見積もりを取って確認してください。
留学生アルバイト — 資格外活動許可の範囲で働く
留学の在留資格をお持ちの方は、資格外活動許可を受けることでアルバイトができます。就労時間は原則として週28時間以内、在籍する学校が学則で定める長期休業期間中は1日8時間以内までです。
費用面で日本人アルバイトと違うのは、採用前の確認にかかる工数です。在留カードの原本で在留資格・在留期間・就労制限の有無を確認し、資格外活動許可の記載も見る必要があります。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、週28時間は合計で判定されるため、そこも確認が要ります。
時給や社会保険の扱いは日本人アルバイトと同じです。最低賃金も当然適用されます。
| サービス | 料金 |
|---|---|
| UNIWAVE WORK(アルバイト紹介) | 成功報酬型 1名40,000円〜 |
業種によって追加で発生する費用
「飲食店の外国人採用費用」「介護施設の外国人採用費用」のように業種ごとに調べる方が多いのですが、外国人採用だから発生する費用に、業種による大きな違いはありません。
業種によって変わるのは、外国人採用の費用ではなくその仕事自体に付随するコストです。日本人を雇っても同じように発生します。
| 費用項目 | 該当する業種の例 | 根拠・内容 |
|---|---|---|
| 深夜割増賃金 | 飲食、小売、物流、ホテル、警備、介護 | 22時〜翌5時の労働には通常賃金の25%以上の割増(労働基準法第37条第4項) |
| 夜勤手当 | 介護、医療、警備 | 法定ではなく、各社が就業規則等で定めるもの |
| 雇入れ時の安全衛生教育 | 全業種 | 労働安全衛生法第59条第1項。2024年4月から業種による省略規定が廃止され、全業種で必要になりました |
| 特別教育 | 建設、製造など | 危険・有害な業務に就かせる場合(労働安全衛生法第59条第3項) |
| 新任教育 | 警備 | 警備業法第21条第2項。一般の警備員は20時間以上。検定合格者などには短縮・免除の規定があります |
このうち警備業は、法令に基づく警備員教育が必要になるため、教育に伴うコストを別に見込む必要があります。詳しくは警備員の外国人採用にかかる費用をご覧ください。
なお業種によっては、資格が必要な業務や、在留資格によって任せられる範囲が変わる業務があります。これは費用ではなく配置の話なので、業種別の記事で扱っています。
採用費だけでは見えないコスト
求人媒体の掲載費や紹介手数料は見えやすい費用ですが、実際にはそれ以外にも工数が発生します。ここを見落とすと、採用単価の比較が意味をなさなくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 応募対応・選考の工数 | 応募者への連絡、日程調整、面接の実施。応募が多くても条件に合わなければ、その分だけ工数が増えます |
| 在留カードの確認 | 原本での確認、就労制限の有無のチェック、記録の保存。出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」を使えばICチップと券面を照合できます |
| 入社手続き | 外国人雇用状況のハローワークへの届出(雇用保険の被保険者は翌月10日まで、被保険者でない場合は翌月末日まで)、社会保険の手続き |
| 入社時の教育 | 業務手順の説明。日本語能力に応じて、やさしい日本語での資料づくりなどの工夫が必要になる場合があります |
| 在留期間の管理 | 在留期間の満了日や更新申請の状況を把握し、適法に在留・就労できる状態かを確認します。満了前に更新・変更を申請していて処分が出ていない場合は、一定期間そのまま在留できる特例があります |
| 早期離職時の再採用 | 採用費が二重にかかります。定着しないと、どの採用方法を使っても総額は上がります |
利用できる助成金
「外国人を採用するだけ」で支給される助成金はありません。正社員化、就労環境の整備、人材育成といった取り組みに対して支給される制度を使うことになります。
| 助成金 | 対象となる取り組み |
|---|---|
| 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース) | 雇用労務責任者の選任、就業規則等の多言語化など |
| キャリアアップ助成金(正社員化コース) | 非正規雇用労働者の正社員化 |
| 人材開発支援助成金 | 職業訓練の実施 |
いずれも取り組みを始める前に計画を届け出る必要がある制度が多く、後から申請しても対象になりません。支給額・要件とも改正が入ります。人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は2026年10月1日からの改正が予告されています。申請を検討する際は、必ず申請時点の厚生労働省の最新要件をご確認ください。
各制度の詳細は外国人採用で活用できる助成金・補助金一覧で解説しています。
費用を判断するときに見る4つのポイント
① 採用単価ではなく、1年後までの総額で見る
採用時の費用だけを比べると、早期離職による再採用のコストが見えません。同じ人が1年続けば採用費は1回分ですが、3か月で辞めれば年に4回分かかります。
② 費用がいつ発生するかを確認する
掲載課金は応募が来なくても発生し、成功報酬は採用が決まるまで発生しません。採用計画が読めない時期は、発生タイミングの違いが資金繰りに効いてきます。
③ 国内にいる方を対象にする
すでに日本にいる方を採用する場合、渡航費や海外からの手配にかかる費用は発生しません。在留資格の手続きも、変更申請で済むことが多くなります。
④ 助成金は補填ではなく還付と考える
助成金は取り組みを実施し、要件を満たし、申請してから支給されます。入金は採用から1年以上先になることも珍しくありません。採用計画の資金繰りに織り込まないでください。
よくあるご質問
費用感の整理から、ご相談ください
採用したいポジション・人数・時期をうかがい、どの方法が合うかを一緒に整理します。UNIWAVE WORK / UNIWAVE CAREER では、在留資格・日本語力・勤務条件を踏まえて候補者をご提案します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の在留資格判断、労務判断、法的判断は、行政機関・専門家の最新情報をご確認ください。
制度について:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」、特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令、労働基準法、労働安全衛生法、警備業法、厚生労働省の各助成金資料をもとに整理しています。制度は変更される可能性があるため、実際の判断では必ず最新の公式情報をご確認ください。
最終更新:2026年9月29日
監修
HR AGENCYの外国人材紹介
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