外国人採用の始め方|初めての企業が確認すべき在留資格・日本語力・採用手順
外国人採用を初めて検討する企業向けに、採用前に決めるべき5つの要件、在留資格の確認、日本語力の見極め、募集から入社後フォローまでの実務手順を解説します。
● 外国人採用は採用前の設計が成功の分かれ目
人手不足が深刻化する中、外国人材の採用を検討する企業が増えています。本記事では、初めて外国人採用を検討する企業向けに、採用前に決めるべき要件、在留資格の確認、日本語力の見極め、募集から入社後フォローまでを実務目線で整理します。
● 採用前に決めるべき5つの要件
外国人採用は、日本人採用と同じ感覚で「とりあえず募集してみる」と高確率で失敗します。在留資格の理解不足、業務内容とのミスマッチ、日本語力の見極め不足など、入社後に発覚する課題は、ほとんどが採用前に予防できるものです。要件を明確にして適切な手順で進めれば、外国人材は意欲が高く、長期的に活躍してくれる戦力になります。
採用前に以下の5点を明確にすることで、求人票・面接・選考のすべてが軸を持ちます。
- 雇用形態:アルバイト(留学生・家族滞在)か、正社員(特定技能・技人国)か。雇用形態によって採用できる在留資格が変わります。
- 必要な日本語レベル:接客業務はN2以上、現場作業はN4〜N5でも対応可など、業務内容に応じてレベルを決めます。
- 業務内容と在留資格の整合性:技人国は単純労働不可、特定技能は指定業種のみなど、在留資格ごとに許可される業務が決まっています。
- 勤務時間・雇用期間:留学生アルバイトは週28時間以内、長期休暇中は1日8時間以内など、ルールに則ったシフト設計が必要です。
- 採用予算と人数:求人媒体、人材紹介、自社採用で費用構造が大きく異なります。採用人数と予算の上限を決めておきます。
● 在留資格の確認は採用判断の最重要ポイント
外国人採用で最も注意すべきは在留資格です。間違った在留資格で雇用すると、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります。在留カードを確認し、業務内容との整合性を必ずチェックしましょう。
| 在留資格 | 就労可否 | 主な対象業務 |
|---|---|---|
| 永住者・定住者・配偶者等 | 制限なし | 日本人と同じ |
| 留学(資格外活動許可あり) | 週28時間まで | アルバイト全般 |
| 特定技能1号・2号 | 指定業種のみ | 飲食・介護・建設等14業種 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 専門業務のみ | 事務・営業・エンジニア・通訳等 |
| 家族滞在(資格外活動許可あり) | 週28時間まで | アルバイト全般 |
- 氏名・生年月日(本人確認)
- 在留資格と在留期間(就労可否と期限)
- 就労制限の有無(裏面記載)
- 資格外活動許可の有無(留学生・家族滞在は必須)
在留カードの確認方法については、別記事「在留カード確認チェックリスト」で詳しく解説しています。
● 日本語力はJLPTと実務会話の2軸で見極める
JLPT(日本語能力試験)の資格レベルだけで判断するのは危険です。実際の業務で必要な日本語は、試験で測れる範囲を超えていることが多いためです。書類でJLPTレベルを確認したうえで、オンライン面接で業務シーンを想定した実務会話をテストし、可能なら短期トライアルで実務適性を確認するのが理想です。
| 業務 | 必要な日本語レベル目安 |
|---|---|
| 接客・電話応対・営業 | N2以上推奨 |
| チーム内コミュニケーション | N3以上 |
| マニュアル通りの作業 | N4以上(視覚教材・OJT併用) |
| 基本的な現場作業 | N5でも可(指示は短文・図解で) |
● 募集から入社後フォローまでの実務フロー
外国人採用の実務フローは、日本人採用と基本は同じですが、在留資格関連の手続きが追加されます。各ステップで押さえるべきポイントを順番に整理します。
Step 1. 募集要項を明確化
業務内容、必要な在留資格、日本語レベル、勤務時間を明示します。「外国籍の方歓迎」の明記で応募が集まりやすくなります。
Step 2. 応募者対応・書類選考
履歴書に加えて在留カードのコピーを必ず取得し、在留資格と就労可否を確認します。
Step 3. 面接(オンライン可)
日本語での実務会話を必ず実施し、在留期限・更新予定、文化・習慣の違いも踏まえた質問を行います。
Step 4. 内定・雇用契約
契約書はやさしい日本語または母国語で作成します。給与・労働時間・休日を明確にし、在留資格更新時に使うため丁寧に作成します。
Step 5. 入社準備・各種届出
ハローワークへの「外国人雇用状況届出」は義務です。健康保険・厚生年金・雇用保険の加入手続きも行います。留学生は学校への雇用通知も必要です。
Step 6. 入社後のオンボーディング
入社初日のオリエンテーション、1週間目・1ヶ月目の面談、文化的配慮(休暇申請のルール・宗教行事など)を行います。定着率を上げるオンボーディングについては、別記事「外国人社員の定着率を上げるオンボーディング」をご参照ください。
● よくある失敗を回避するポイント
採用後によくある失敗の多くは、採用前に予防できます。在留資格と業務内容のミスマッチ、日本語力をJLPT資格だけで判断、28時間ルールの管理漏れ(留学生アルバイト)、文化・宗教への配慮不足、オンボーディング不足による早期離職などが代表例です。
詳しくは「外国人採用でよくある失敗7選」で解説しています。
● よくあるご質問
外国人採用を、もっとしなやかに。
Wajob / Wajob Pro では、アルバイト採用から新卒・中途採用まで、在留資格・日本語力・勤務条件を踏まえて候補者をご提案します。
採用について相談する →※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の在留資格判断、労務判断、法的判断は、行政機関・専門家の最新情報をご確認ください。


