ホテル・旅館の人手不足を解決する方法|採用難の突破口

ホテル・旅館の人手不足は「機会損失」に直結している

「予約は入るのに、人手が足りず客室を売り止めにしている」「フロントも清掃も手が回らず、支配人が現場に入りっぱなし」——ホテル・旅館を運営していれば、こうした状況に心当たりがあるのではないでしょうか。

いま宿泊業界が置かれている状況は、少し特殊です。インバウンドの拡大と国内観光の回復で、市場は好調そのもの。旅館・ホテル市場は2025年度に6.5兆円へ達し、過去最高を更新する見込みです。つまり、需要はある。にもかかわらず、その需要を取りこぼしている施設が全国にあります。理由は、人手不足です。

帝国データバンクの調査では、旅館・ホテル業で正社員が不足していると答えた企業は60.2%(2025年1月)。非正社員の不足感は改善傾向にあるものの、正社員の不足は依然として全産業でも高い水準にあります。人手が足りず、空室があっても清掃が追いつかず販売できない、宴会予約を断らざるを得ない——ホテルの場合は「需要があるのに販売できない」という機会損失が起きています。本来売れるはずだった客室が販売できず、売上を伸ばすチャンスを逃している施設も少なくありません。飲食店のように「人が採れず倒産」というより、宿泊業では、目の前の需要を取りこぼしているのです。

なぜ、ホテル・旅館は人が採れないのか

宿泊業の人手不足は、一時的な要因ではなく構造的な問題です。主な原因を整理します。

① コロナ禍で流出した人材が、戻ってきていない

2020〜2022年のパンデミック期に、多くの宿泊施設が人員を削減しました。そのとき他業種へ移った従業員の多くが、需要が回復した今も戻ってきていません。一方でインバウンド需要は急回復し、稼働率はコロナ前の水準に近づいています。需要は戻ったのに人は戻らない——この需給のギャップが、慢性的な人手不足の正体です。

② 24時間稼働・不規則シフト・繁忙期に休めない

宿泊施設は早番・遅番・夜勤のシフト制が基本で、土日祝日や年末年始といった繁忙期こそ稼ぎ時です。世間が休むときに働く構造は、特に子育て世代や若年層から敬遠されがちで、離職の大きな要因になっています。

③ 賃金水準が、他業種に見劣りする

厚生労働省の統計では、宿泊業・飲食サービス業の平均賃金は全産業のなかでも低い水準にあります。同じ労働時間なら条件の良い他業種に人が流れるのは自然な流れで、採用の土俵に立つ前に候補者を取られてしまうケースも少なくありません。

採用を増やすだけでは、人手不足は解決しない

人が足りないとき、多くの施設は求人を強化します。しかし、労働環境が変わらないまま採用を繰り返しても、離職率は下がりません。むしろ残ったスタッフへの負荷が増え、次の離職を招き、採用費だけがかさむ——という悪循環に陥りがちです。

ここで必要なのは、採用の数を増やすことよりも、そもそも誰を採用の対象にするかを見直すこと。従来と同じ層(=日本人の若年層)を奪い合う限り、条件競争から抜け出せません。採用の間口を広げることが、人手不足を根本から見直す出発点になります。

採用対象を広げる選択肢として、外国人・留学生採用がある

採用の対象を広げるとき、宿泊業と特に相性が良いのが外国人・留学生の採用です。理由は、人手の補充にとどまらないからです。インバウンド需要が拡大するなか、英語や中国語などで対応できる多言語人材は、フロントや接客の現場でそのまま強みになります。人手不足の解消と、インバウンド対応力の強化を同時に実現できる——これは宿泊業ならではのメリットです。

ただし、外国人・留学生の採用には正しい知識が欠かせません。ホテルで押さえておきたいポイントを整理します。

留学生アルバイトは「週28時間まで」

留学生をアルバイトとして雇う場合、「資格外活動許可」を得た留学生であれば就労が可能ですが、労働時間は原則として週28時間以内に制限されます(学校の長期休暇期間中は週40時間まで)。この28時間は複数のアルバイト先を掛け持ちしている場合の合計時間に対する制限です。管理を怠って超過させると、雇用主が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。夜勤や繁忙期のシフトを組む際は、特に注意が必要です。

正社員採用では在留資格の確認を

フロント・接客・清掃などを担う正社員として外国人を採用する場合は、在留資格の種類によって従事できる業務が変わります。宿泊業向けの特定技能や、活動制限のない身分系の在留資格など、雇用したい業務内容に合った在留資格かどうかの確認が欠かせません。制度は変わることもあるため、採用前に最新の要件を押さえておくと安心です。(※在留資格の制度は変更される可能性があります。最新の状況は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。)

外国人採用を具体的に検討するなら

人手不足の対策として外国人採用を検討する場合は、「どの採用方法が自社に合うか」「費用はどのくらいかかるのか」を先に整理しておくと、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。

ホテルの採用方法を、まず整理しませんか?

人手不足は、一つの施策で一気に解決するものではありません。求人の見直し、労働環境の改善、DXによる省力化、そして採用対象の拡大——これらを組み合わせて、少しずつ「回る状態」に近づけていくものです。

そのなかで外国人・留学生の採用は、人手の確保とインバウンド対応の両面で効く選択肢です。とはいえ、在留資格の確認やシフト管理、募集のノウハウなど、初めての場合は不安も多いはず。いきなり採用を進めるのではなく、「自施設の場合、どんな採用方法が合うのか」「どの在留資格が現実的か」を整理するところから始めるのが確実です。宿泊業が取れる採用手段の全体像は、ホテル・旅館の採用方法を整理する|採用手段の総合ガイドで詳しく解説しています。

ホテル・旅館によって、人手不足の原因は異なります。繁忙期だけ人手が足りない施設もあれば、インバウンド対応できる人材を求めている施設もあります。HR AGENCYでは、留学生アルバイト(Wajob)から正社員採用(Wajob Pro)まで、施設ごとの状況に合わせた採用方法をご提案しています。まずは、自施設にはどの方法が合うのかを整理するところから始めてみませんか。無料相談はこちらから、お気軽にお問い合わせください。

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監修

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