約100万社以上が潜在的な後継者不在といわれている中、日本国内におけるM&Aは堅調に数を伸ばしてきており、直近2023年時点では年間4,000件を超えております。
事業承継M&Aの増加を背景に、M&A仲介会社の数も増加し、各社のコンサルタントの採用意欲も高まってきております。
今回は、M&A仲介会社に内定が出やすい方々の特徴を解説し、転職を考える方がご理解を深める一助となれば幸いです。
M&A仲介会社で求められるスキル
M&A(合併・買収)仲介業界では、幅広いスキルが求められます。
下記は主なポイントとなりますが、現状では下記スキルをお持ちでない方も、面接対策を繰り返し、素養をアピールすることで内定獲得へと繋がります。
1. 高いコミュニケーション能力
まず、M&A仲介業においては、譲渡企業(売り手企業)の発掘が最も大切となります。
百戦錬磨のオーナー経営者から信用して頂き、会社の譲渡という大切な決断をお任せいただくには、当然高いコミュニケーション能力が必要となります。
2. 粘り強く案件を推進する力
譲渡案件の発掘後は、譲受企業(買い手企業)とのマッチングを行います。
そもそもM&Aの成約までは通常半年から1年半程度の時間を要しますし、譲渡企業の状況(財務内容や業種)によっては、マッチングに苦戦して「なかなか譲受企業が現れない」といったことも往々にしてあります。そのため、あきらめず主体性を持って仕事をやりきる力が必要といえます。
また、案件の発掘においてはDMやコールドコールといった単純作業も発生しますが、こういった新規案件獲得においても推進力や行動力が必要となります。
3. 論理的思考力
例えば企業概要書の作成や各種交渉の場面では、譲渡企業のビジネスモデルを深く理解して数字に落とし込む必要があります。譲渡オーナー様にとって、より良い譲受企業とのマッチングを実現させるためには論理的思考力も不可欠な要素といえるでしょう。
4. 交渉力
M&Aのプロセスにおいては、譲渡企業・譲受企業以外にもさまざまな利害関係者が登場します。例えば、譲渡企業の顧問税理士や、オーナー様のご子息・ご息女(非株主)といった方々などもディールのブレイクに繋がることもあるため、それぞれの立場から物事を考え交渉を進めていく力が必要です。
5. 各分野の知識
通常、案件を進めていく際には、社内外の専門家(弁護士・公認会計士・税理士など)と協業することが一般的ではありますが、コンサルタントとしてお客様と折衝するにあたり、財務、労務、法務における知識も重要です。
上述の通り、これらのスキルを必ずしも入社時点で持っている必要はありません。
面接対策のなかで、M&Aアドバイザーとしての素地をしっかりとアピールしていくことが重要です。
M&A仲介会社への内定実績の多い業界
M&A仲介会社は、様々なバックグラウンドの方の採用を行っています。
一般的には、銀行・証券会社・コンサルティングファーム・総合商社・製薬会社・キーエンスからの転職者が多いイメージですが、中には化粧品メーカーや人材紹介会社、ハウスメーカー出身の方もおりました。
前職での実績について
上述の通り様々な経歴の方がM&A仲介会社へ転職をしておりますが、そのほとんどに共通しているのが、高い営業成績をあげていた点です。
具体的には、証券会社においては「新規口座開設件数」「資産導入金額」「手数料収益額」などの具体的な数値および表彰歴、銀行においては「融資額」などの具体的な数値や表彰歴があれば、書類選考通過率も高くなる傾向にあります。
いずれのM&A仲介会社も書類通過率は5%~20%程度ですので、上記のポイントを押さえたうえで履歴書・職務経歴書作成を進める必要があります。
M&A仲介会社への面接でよく聞かれる質問例
「これまでの経歴を詳細に教えてください(自己紹介)」
M&A仲介企業に限らず、どの会社でも自己紹介の準備はマストですが、特にオーナー経営者様への営業がメインとなるため、単なる経歴の紹介だけではなく、人となりやキャラクターなども含めて面接官はチェックしております。中には「中学生以降の経験を10分程度で詳細にお話ください」といったイレギュラーな質問もございました。
「今までの人生で最もつらかったことは何か教えてください」
M&A仲介営業は、常に不安定で苦しいことの連続です。短期的な離職を防ぐ観点で、本人がこれまでの人生でどれだけの困難や修羅場を潜り抜けてきているか、前向きに乗り越えていける人間かを知るために頻出の質問です。
「高い営業成績をあげるために工夫していることを教えてください」
競合会社が増えているM&A業界では、単に数を追うだけの新規営業では案件の受託が難しくなってきております。そのような中、現職にて再現性の高い方法で実績を上げ続けているか、M&A仲介においても同様に工夫を凝らし実績を上げることができるかを見られています。
今回は、M&A仲介会社に内定が出やすい方の特徴について解説致しました。
M&A仲介会社への転職を希望する方は、【業界に精通した人材紹介会社】への相談が内定の近道となります。
HRエージェンシーには、M&A仲介会社でのアドバイザー経験や面接官経験のあるコンサルタントが所属しており、志望企業内定へ向けて、誠実にサポートさせていただきます。(※ご経歴によっては紹介が難しいことをご了承ください。)
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