M&A仲介会社の実際の業務内容

昨今、事業承継ニーズの増加を背景にM&Aアドバイザーの需要は急速に高まっており、その数は東証プライムに上場している会社だけでも、1,000を超えています。

M&A仲介会社への転職を希望する求職者の数も増えており、本記事ではM&Aアドバイザーの具体的な業務内容について記載していきます。

M&A仲介会社への転職をご検討されている方のご参考になれば幸いです。

更新日:2024年8月25日

・情報収集フェーズ

1. 譲渡企業オーナーとの初回面談

全てのディールは、1本の電話、DMから始まります。

オーナー様と面談するなかで、機密保持契約を締結しM&Aに関しての情報提供をします。

初期的に提供する主な情報として、想定されるM&A候補先について、周辺エリア・周辺領域でのM&A事例について、譲渡企業の財務分析/株価評価などが挙げられます。

2. 譲渡企業とのアドバイザリー契約の締結

さらに具体的な情報収集に関心のあるオーナー様と仲介会社間にて、アドバイザリー契約を締結します。仲介会社によって、「アド契約」「AD契約」「マンデート」などと呼ばれています。アドバイザリー契約の締結後、候補先に対して譲渡企業をプレゼンするための資料作成を始めます。

主な作成資料としては、ロングリスト、ノンネームシート、企業概要書(IM:Information Memorandom)が挙げられます。

ロングリストとは、買収候補先となる企業の情報(事業内容、所在地、買収ニーズなど)をまとめた資料です。

ノンネームシートとは、買収候補先に対して譲渡企業が特定されない範囲で、案件の概要を説明する資料です。ビジネスモデルや簡易的な概要を記載し、買収に対する温度感を探ります。

情報漏洩だけは絶対に避けなければいけませんが、買収候補先による検討にあたっては、譲渡企業のビジネスモデルや競合優位性、強みなどを記載することが望ましいです。

また、企業概要書とはノンネームシートに対して関心を持った買収候補先に対して開示をする資料です。詳細なビジネスフローや、主要取引先情報、財務データなどを記載します。

場合によっては買収候補先の取締役会でも使われることもあり、またデューデリジェンス(後述)でのブレイクを避ける観点から、あらかじめこの段階でブレイクリスクや論点を洗い出して前捌きすることも重要となります。

3. マッチング~買収候補先への独占交渉権付与

各種資料を作成したのちに、買収候補先とのマッチングを行います。

まずは各種資料で検討頂き、さらにご関心を持った企業とは「トップ面談」を設定します。

トップ面談では、譲渡企業オーナー様と、買収候補先の担当者(経営者層や経営企画部)で直接話し合う場で、会社の成り立ちや譲渡企業オーナー様の考え、将来のビジョンなどを中心にざっくばらんに話し合う機会となります。

その後、各買収候補先より「意向表明書」を提出頂きます。

意向表明書は、経済条件だけではなく譲渡後のオーナー様の処遇、従業員様の処遇、運営体制などが記載され、買収候補先の代表印が押印された正式な書面となります。

この意向表明書を比較検討したうえで、基本合意書の締結もしくは意向表明書の応諾によって1社に対して独占交渉権を付与します。

4. デューデリジェンス(買収監査)

その後、買い手企業による税務面・労務面・財務面・ビジネス面などの詳細な調査が行われます。その際に、未払い賃金や退職金の積み立て不足、訴訟・係争などの論点が頻出となりますが、ディールがブレイクすることのないよう事前に確認して整理しておくこともM&Aアドバイザーの重要な役割となります。

5. 最終契約の締結・クロージング

デューデリジェンスを終えたら、最終契約書の条件交渉を行います。

基本合意書の調整同様に、オーナー様の希望条件と買い手企業の希望条件をすり合わせていきます。契約書の調整後、譲渡実行の前提条件を充足したのちにクロージングとなります。

以上がM&A成立までの流れとなります。

転職を希望する方は、【業界に精通した人材紹介会社】への相談が内定の近道となります。

HRエージェンシーには、M&A仲介会社でのアドバイザー経験や面接官経験のあるコンサルタントが所属しており、志望企業内定へ向けて、誠実にサポートさせていただきます。(※ご経歴によっては紹介が難しいことをご了承ください。)

本記事には記載できなかったような具体的な体験談もお伝えすることができます。

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