ミャンマー人採用ガイド|在留資格構成から見る採用実務と確認ポイント

ミャンマーは、令和7年末時点で在留者数が18万2,567人。国籍・地域別で第8位です。特徴は在留資格の構成が分散していることで、特定技能24.4%・特定活動19.8%・留学19.6%・技能実習19.5%と、4つの在留資格がいずれも2割前後を占めます。なかでも特定活動19.8%は上位10か国・地域のなかで高い水準であり、在留カードだけでは就労の可否を判断できない点に注意が必要です。本記事では出入国在留管理庁の統計をもとに、ミャンマー出身者の在留資格構成と、採用時に企業が確認すべきポイントを整理します。

この記事の要点

  • 令和7年末の在留者数は182,567人(前年末比+47,993人・+35.7%)。国籍・地域別で第8位
  • 在留資格は特定技能24.4%・特定活動19.8%・留学19.6%・技能実習19.5%と分散している
  • 特定活動は在留カードだけでは就労の可否を判断できない。パスポートに添付された「指定書」の確認が必要
  • 就労制限のない身分系は2.7%
  • 技能実習制度は令和9年4月1日に育成就労制度へ移行する(改正法は公布済み・未施行)

ミャンマーの在留状況(令和7年末)

出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」によると、在留外国人数は412万5,395人で、統計上はじめて400万人を超えました。このうちミャンマーは182,567人で、国籍・地域別の第8位です。

前年末(令和6年末・134,574人)と比べると+47,993人(+35.7%)。増加率は上位10か国・地域のなかで大きい伸びとなりました。在留外国人全体に占める割合は4.4%です。

「在留者数」は採用可能人数ではありません

ここで示す182,567人は、日本に在留しているミャンマー出身者の総数です。年齢・居住地・就業状況・転職意向は含まれていません。また、在留資格によっては就労できない、あるいは就ける業務が限定されます。採用計画を立てる際の参考値としてご覧ください。

在留資格の構成

出入国在留管理庁の統計表(第2表)から、令和7年末時点の内訳は次のとおりです。

ミャンマー出身者の在留資格別内訳(令和7年末)
在留資格 人数 構成比 就労の制限
特定技能 44,546 24.4% 分野内の業務のみ
特定活動 36,148 19.8% 指定書による(就労不可の場合もある)
留学 35,783 19.6% 原則不可(資格外活動許可で週28時間以内)
技能実習 35,662 19.5% 実習計画の範囲内
技術・人文知識・国際業務 17,167 9.4% 専門業務のみ
家族滞在 6,835 3.7% 原則不可(資格外活動許可で週28時間以内)
定住者 2,489 1.4% 制限なし
永住者 1,734 0.9% 制限なし
日本人の配偶者等 744 0.4% 制限なし
特別永住者 0 0.0%
その他 1,459 0.8% 在留資格による
合計 182,567 100.0%

上位4つの在留資格(特定技能・特定活動・留学・技能実習)で83.3%を占めます。いずれも20%前後で、突出した資格がない構成です。就労制限のない身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者)は4,967人(2.7%)にとどまります(※「身分系」の定義は記事末尾をご覧ください)。

「特定活動」は指定書の確認が必要

ミャンマー出身者の19.8%が特定活動です。この在留資格は、他の資格と決定的に異なる点があります。

就労の可否は個々に異なる

出入国在留管理庁は「在留資格『特定活動』の場合は個々に就労の可否が異なりますので、別途、法務大臣が個々に指定した活動等が記載された『指定書』によって就労の可否を確認してください。『指定書』は外国人の方のパスポートに添付しています」と示しています。

特定活動は、他の在留資格に該当しない活動を行う外国人のための受け皿として設けられたものです。法務大臣が個々に活動内容を指定するため、同じ「特定活動」でも、就労できる方とできない方がいます

在留カードには「特定活動」としか書かれない

在留カード表面の「就労制限の有無」欄に「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載されている場合、カードだけでは判断できません。パスポートに添付された指定書を確認する必要があります。

指定書の見方

  • 「報酬を受ける活動を除く」と記載されている — 就労できません
  • 「報酬を受ける活動」と記載されている — 指定された範囲内で就労できます
  • 活動範囲を確認する — 就労可能な場合でも、分野・業種・勤務先が指定されていることがあります
  • 氏名・国籍が在留カードと一致するか確認する — 別人の指定書でないことを確かめます

指定書が確認できない場合は、本人に「就労資格証明書」の提出を求める方法があります。また、判断が難しい場合は、最寄りの地方出入国在留管理局に問い合わせてください。

就労不可の方を就労させた場合

指定書で就労が認められていない方を就労させた場合、企業側が不法就労助長罪に問われるおそれがあります。「在留カードに特定活動と書いてあったから就労できると思った」という理解は通用しません。

構成から読み取れる採用実務上のポイント

在留資格が分散している

特定技能24.4%・特定活動19.8%・留学19.6%・技能実習19.5%。上位4資格がいずれも20%前後で、他の国籍・地域とは異なる構成です。参考までに、インドネシアは技能実習47.0%、韓国は特別永住者59.3%と、特定の資格に集中しています。

つまりミャンマー出身者を採用する場合、応募者ごとに在留資格が異なる可能性が高くなります。在留資格ごとの確認事項を、あらかじめ整理しておく必要があります。

技能実習・特定技能で43.9%

技能実習35,662人(19.5%)と特定技能44,546人(24.4%)を合わせると80,208人(43.9%)。これらの在留資格は、就ける業務が分野・実習計画の範囲内に限定されます。

技能実習制度は、令和6年法律第60号により令和9年4月1日に育成就労制度へ移行します。令和8年7月時点では未施行であり、現在受け入れている技能実習生には引き続き技能実習制度のルールが適用されます。

身分系は2.7%

永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者を合わせても4,967人(2.7%)です。参考までに、ブラジルは95.6%、韓国は83.0%、フィリピンは65.6%です。

在留資格の構成は、能力や適性を示すものではありません

本記事で示しているのは、日本に在留しているミャンマー出身者がどの在留資格を持っているかという統計上の分布です。個々人の日本語力・職務経験・適性を示すものではなく、また国籍によって採否を判断すべきという趣旨でもありません。採用の可否は、あくまで在留カードに記載された在留資格と、担当いただく業務の内容によって判断してください。

採用時に確認すべきこと

国籍にかかわらず、外国人を採用する際の確認事項は共通です。ミャンマー出身者の場合、特定活動の方については指定書の確認が加わります。

  • 在留カードの原本を確認する — コピーやスマートフォンの画像ではなく、原本で確認します
  • 在留資格と就労制限の有無を確認する — 「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載があれば、指定書の確認が必要です
  • 特定活動の場合は指定書を確認する — パスポートに添付されています。「報酬を受ける活動を除く」とあれば就労できません
  • 在留期限を確認する — 期限が近い場合は、更新手続きの見込みも含めて確認します
  • 資格外活動許可の有無を確認する — 留学・家族滞在の方をアルバイトで採用する場合、カード裏面の許可欄を確認します
  • 業務内容が在留資格の範囲内か確認する — 技能実習は実習計画の範囲内、特定技能は分野内の業務に限定されます
  • 外国人雇用状況の届出を行う — 雇い入れ時・離職時に、ハローワークへの届出義務があります

在留カードの真偽確認

出入国在留管理庁は「在留カード等読取アプリケーション」を無償で提供しています。ICチップの情報を読み取り、券面情報と照合できます。あわせて「失効情報照会」で、カードが有効かどうかも確認できます。

在留資格を確認したうえで、自社で採用可能か判断が難しい場合は、専門家へ相談する方法もあります。

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入社後に整えたいこと

在留資格ごとに管理項目を分ける

ミャンマー出身者は在留資格が分散しています。特定活動は指定書の内容と有効期間、留学・家族滞在は資格外活動許可と週28時間の上限、技能実習・特定技能は業務範囲と、確認すべき項目が異なります。在留資格ごとに管理項目を整理しておくと運用が安定します。

在留期限の管理

特定技能・特定活動・留学・技能実習・技人国は、いずれも在留期限があり更新が必要です。更新時期を一覧で管理し、期限の2〜3か月前に本人へ確認する運用が現実的です。

在留資格の変更に注意する

特定活動から他の在留資格へ変更した場合、就労可能な範囲が変わります。逆に、他の在留資格から特定活動へ変更した場合、就労できなくなることもあります。在留資格が変わったら、必ず新しい在留カードと指定書を確認してください。

よくある質問

ミャンマー出身者を採用する際、何を確認すればよいですか。

在留者数と採用可能人数は一致しません。確認すべきは在留資格・就労制限・在留期限です。ミャンマー出身者は特定活動が19.8%を占めるため、在留カードに「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載がある場合は、パスポートに添付された指定書の確認が必要です。

在留カードに「特定活動」とあれば、就労できますか。

判断できません。特定活動は個々に活動内容が指定されるため、就労できる方とできない方がいます。パスポートに添付された指定書で確認してください。「報酬を受ける活動を除く」と記載されている場合、就労できません。

指定書を紛失したと言われた場合、どうすればよいですか。

本人に「就労資格証明書」の提出を求める方法があります。交付には手数料が必要です。判断が難しい場合は、安易に採用を進めず、最寄りの地方出入国在留管理局に問い合わせてください。

在留者数が35.7%増えていますが、要因は何ですか。

出入国在留管理庁の統計は人数を集計したものであり、増減の理由までは公表していません。本記事では増加要因の分析は扱っていません。

採用選考で国籍を条件にしてよいですか。

職業安定法および厚生労働省の指針により、国籍を理由とする差別的な取扱いは認められていません。確認すべきは在留資格と就労制限の有無であり、国籍そのものではありません。

出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」(令和8年3月公表)【第1表】国籍・地域別 在留外国人数の推移/【第2表】国籍・地域別 在留資格別 在留外国人数/同「令和6年末現在における在留外国人数について」/出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年4月)/出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」(令和7年12月改訂)/出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律(令和6年法律第60号)/出入国管理及び難民認定法 第19条・第73条の2/職業安定法 第3条/厚生労働省「外国人雇用状況の届出」関連情報

数値について:構成比は在留者数182,567人を分母として当社が算出したものです。表示桁数未満は四捨五入しています。「身分系」は永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者の合計を指す当社の整理であり、法令上の分類名ではありません。「永住者の配偶者等」も就労制限のない在留資格ですが、出入国在留管理庁が公表する国籍・地域別統計では内訳を確認できないため、本記事の集計には含めていません。

免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の採用にあたっては、出入国在留管理庁または行政書士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。

当社について:株式会社HRエージェンシー/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-317049。登録支援機関の登録は受けておりません。

最終更新:2026年7月

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監修

HR AGENCY(外国人採用支援サービス)

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