ネパールは、令和7年末時点で在留者数が30万992人。国籍・地域別で第5位です。前年末から67,949人(29.2%)増加し、増加数・増加率ともに上位10か国・地域のなかで最も大きい伸びとなりました。在留資格は留学と家族滞在で62.8%を占め、他の国籍・地域とは大きく異なる構成です。本記事では出入国在留管理庁の統計をもとに、ネパール出身者の在留資格構成と、採用時に企業が確認すべきポイントを整理します。
この記事の要点
- 令和7年末の在留者数は300,992人(前年末比+67,949人・+29.2%)。国籍・地域別で第5位
- 在留資格は留学38.6%・家族滞在24.2%・技人国16.2%。留学と家族滞在で62.8%を占める
- 就労制限のない身分系は4.5%
- 留学・家族滞在はいずれも資格外活動許可が必要。ただし長期休業の特例は留学にのみ適用される
- 採用時に確認するのは在留カードの在留資格・在留期限・就労制限の有無。国籍による判断は行わない
ネパールの在留状況(令和7年末)
出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」によると、在留外国人数は412万5,395人で、統計上はじめて400万人を超えました。このうちネパールは300,992人で、国籍・地域別の第5位です。
前年末(令和6年末・233,043人)と比べると+67,949人(+29.2%)。増加数・増加率ともに上位10か国・地域のなかで最も大きい伸びとなりました。在留外国人全体に占める割合は7.3%です。
「在留者数」は採用可能人数ではありません
ここで示す300,992人は、日本に在留しているネパール出身者の総数です。年齢・居住地・就業状況・転職意向は含まれていません。また、在留資格によっては就労が制限されます。採用計画を立てる際の参考値としてご覧ください。
在留資格の構成
出入国在留管理庁の統計表(第2表)から、令和7年末時点の内訳は次のとおりです。
| 在留資格 | 人数 | 構成比 | 就労の制限 |
|---|---|---|---|
| 留学 | 116,151 | 38.6% | 原則不可(資格外活動許可で週28時間以内) |
| 家族滞在 | 72,978 | 24.2% | 原則不可(資格外活動許可で週28時間以内) |
| 技術・人文知識・国際業務 | 48,813 | 16.2% | 専門業務のみ |
| 特定技能 | 12,387 | 4.1% | 分野内の業務のみ |
| 永住者 | 9,908 | 3.3% | 制限なし |
| 技能実習 | 4,477 | 1.5% | 実習計画の範囲内 |
| 定住者 | 1,899 | 0.6% | 制限なし |
| 特定活動 | 1,835 | 0.6% | 個別の指定による |
| 日本人の配偶者等 | 1,834 | 0.6% | 制限なし |
| 特別永住者 | 3 | 0.0% | 制限なし |
| その他 | 30,707 | 10.2% | 在留資格による |
| 合計 | 300,992 | 100.0% | — |
まとめると、次の3つのグループに整理できます。
- 留学・家族滞在:189,129人・62.8% — 原則として就労できません。資格外活動許可を受けている場合、週28時間以内のアルバイトが可能です
- 技術・人文知識・国際業務(技人国):48,813人・16.2% — 専門知識や語学力を活かす業務に限定されます
- 身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者):13,644人・4.5% — 就労に職種や時間の制限がありません(※「身分系」の定義は記事末尾をご覧ください)
構成から読み取れる採用実務上のポイント
留学と家族滞在で6割超を占める
留学116,151人と家族滞在72,978人を合わせると189,129人(62.8%)。上位10か国・地域のなかでも高い比率です。参考までに、中国は26.0%、ベトナムは18.2%です。
全国の留学(464,784人)に占めるネパール出身者の割合は25.0%。中国(31.9%)に次ぐ規模です。この2か国・地域で全国の留学の56.9%を占めます。
家族滞在の比率が高い
家族滞在24.2%は、上位10か国・地域のなかでも高い水準です。中国は10.1%、ベトナムは11.3%、台湾は4.7%。家族滞在は留学と同様に資格外活動許可が必要ですが、適用されるルールに一部違いがあります(後述)。
身分系が4.5%と少ない
永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者を合わせても13,644人(4.5%)にとどまります。ブラジル(95.6%)や韓国(83.0%)とは対照的な構成です。
身分系には就労の職種・時間の制限がありません。就労資格に制限がある業務では、身分系の在留資格を持つ方が対象となります。
在留資格の構成は、能力や適性を示すものではありません
本記事で示しているのは、日本に在留しているネパール出身者がどの在留資格を持っているかという統計上の分布です。個々人の日本語力・職務経験・適性を示すものではなく、また国籍によって採否を判断すべきという趣旨でもありません。採用の可否は、あくまで在留カードに記載された在留資格と、担当いただく業務の内容によって判断してください。
資格外活動許可の確認と時間管理
ネパール出身者の62.8%が留学・家族滞在です。いずれも原則として就労できません。資格外活動許可を受けている場合に限り、週28時間以内のアルバイトが可能となります。
在留カード裏面で許可の有無を確認する
資格外活動許可を受けている場合、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」に記載があります。許可がないまま就労させた場合、企業側が不法就労助長罪に問われる可能性があります。表面の在留資格だけを見て採用を判断することはできません。
「週28時間」は連続する7日間で数える
暦の上での週(日曜から土曜など)ではなく、どの曜日を起点としても連続する7日間で28時間以内である必要があります。複数の勤務先で働いている場合は合算されます。他社での勤務時間も含めて上限を超えないよう、本人への確認が必要です。
長期休業の特例は「留学」にのみ適用される
在留資格「留学」の場合、学則で定める長期休業期間にあるときは1日8時間以内まで就労が認められます。一方、在留資格「家族滞在」には長期休業という概念がなく、通年で週28時間以内が上限です。ネパール出身者は家族滞在の比率が高いため、この違いを踏まえたシフト管理が必要になります。
なお、留学生が休学している期間は、資格外活動は認められません。
従事できない業務がある
資格外活動許可を受けていても、風俗営業等に関わる業務に従事することはできません。これは店舗の運営に直接関わらない業務であっても同様です。
採用時に確認すべきこと
国籍にかかわらず、外国人を採用する際の確認事項は共通です。
- 在留カードの原本を確認する — コピーやスマートフォンの画像ではなく、原本で確認します
- 在留資格と就労制限の有無を確認する — カード表面の「在留資格」欄と「就労制限の有無」欄を見ます
- 在留期限を確認する — 期限が近い場合は、更新手続きの見込みも含めて確認します
- 資格外活動許可の有無を確認する — 留学・家族滞在の方をアルバイトで採用する場合、カード裏面の許可欄を確認します
- 他社での勤務時間を確認する — 複数の勤務先で働いている場合、合計で週28時間以内である必要があります
- 業務内容が在留資格の範囲内か確認する — 技人国の方に単純作業を任せることはできません
- 外国人雇用状況の届出を行う — 雇い入れ時・離職時に、ハローワークへの届出義務があります
在留カードの真偽確認
出入国在留管理庁は「在留カード等読取アプリケーション」を無償で提供しています。ICチップの情報を読み取り、券面情報と照合できます。あわせて「失効情報照会」で、カードが有効かどうかも確認できます。
在留資格を確認したうえで、自社で採用可能か判断が難しい場合は、専門家へ相談する方法もあります。
外国人採用について、ご相談ください
在留資格の確認から、採用方法の整理までサポートしています。
どの在留資格の方を採用できるか分からない段階からご相談いただけます。
初期費用0円/成功報酬型/首都圏を中心に対応
入社後に整えたいこと
勤務時間の記録を残す
資格外活動許可による就労は、週28時間という明確な上限があります。意図せず超過した場合でも、資格外活動違反として扱われます。シフト作成時に上限を確認し、実際の勤務時間を記録として残す運用が必要です。
在留期限の管理
留学・家族滞在・技人国はいずれも在留期限があり、更新が必要です。資格外活動許可の期限は、本人の在留期限までです。在留期間を更新した場合、資格外活動許可も改めて確認してください。
在留資格の変更を見据える
留学の在留資格を持つ方が卒業後にフルタイムで働く場合、技人国などの就労系在留資格への変更が必要です。家族滞在の方が週28時間を超えて働く場合も同様です。変更には学歴要件や業務内容との関連性など、一定の要件があります。
卒業から入社までの期間に注意
「留学」から就労系在留資格への変更許可申請中であっても、卒業後から入社日までの期間は、在学中の資格外活動許可によるアルバイトは原則として認められません。
よくある質問
ネパール出身者は在留者数が急増していますが、採用時は何を確認すればよいですか。
国籍にかかわらず、確認すべきは在留カードに記載された在留資格・在留期限・就労制限の有無です。ネパール出身者は留学・家族滞在が62.8%を占めるため、多くの場合は資格外活動許可の有無と週28時間の上限管理が実務上の焦点になります。在留者数と採用可能人数は一致しません。
留学と家族滞在で、アルバイトのルールは同じですか。
いずれも資格外活動許可を受ければ週28時間以内の就労が可能です。ただし「留学」は学則で定める長期休業期間中に限り1日8時間以内まで認められる一方、「家族滞在」には長期休業の概念がなく、通年で週28時間以内が上限です。
複数のアルバイト先で働いている場合、時間はどう数えますか。
すべての勤務先の合計で、連続する7日間につき28時間以内である必要があります。自社での勤務が週20時間でも、他社で10時間働いていれば上限を超えます。採用時と定期的なタイミングで、本人に確認してください。
資格外活動許可を確認せずに採用した場合、企業に責任はありますか。
不法就労であることを知らなかった場合でも、在留カード裏面を確認しなかったなどの過失があれば、不法就労助長罪の責任を問われるおそれがあります(入管法第73条の2第2項)。採用時の確認と、勤務時間の管理が必要です。
採用選考で国籍を条件にしてよいですか。
職業安定法および厚生労働省の指針により、国籍を理由とする差別的な取扱いは認められていません。確認すべきは在留資格と就労制限の有無であり、国籍そのものではありません。
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出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」(令和8年3月公表)【第1表】国籍・地域別 在留外国人数の推移/【第2表】国籍・地域別 在留資格別 在留外国人数/同「令和6年末現在における在留外国人数について」/出入国在留管理庁「資格外活動許可について」/同「『家族滞在』の在留資格に係る資格外活動許可について」/出入国管理及び難民認定法 第19条・第73条の2/職業安定法 第3条/厚生労働省「外国人雇用状況の届出」関連情報
数値について:構成比は在留者数300,992人を分母として当社が算出したものです。全国比は各在留資格の全国総数を分母としています。表示桁数未満は四捨五入しています。「身分系」は永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者の合計を指す当社の整理であり、法令上の分類名ではありません。「永住者の配偶者等」も就労制限のない在留資格ですが、出入国在留管理庁が公表する国籍・地域別統計では内訳を確認できないため、本記事の集計には含めていません。
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の採用にあたっては、出入国在留管理庁または行政書士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。
当社について:株式会社HRエージェンシー/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-317049。登録支援機関の登録は受けておりません。
最終更新:2026年7月
監修
HR AGENCY(外国人採用支援サービス)
外国人アルバイト紹介・外国人正社員紹介・外国人採用コンサルティングを提供。首都圏を中心に、企業向けの外国人採用支援を行っています。


