日本で働く外国人は2,571,037人。過去最多を更新しました(2025年10月末時点・厚生労働省)。
ただ「過去最多」という見出しだけでは、自社の採用判断には使えません。どの在留資格が伸び、どの業種が採り、どの規模の企業が何人抱えているのか。企業規模別・業種別・在留資格別・国籍別・都道府県別に、一次資料を分解して整理します。
数字はすべて厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(令和7年10月末時点、2026年1月30日公表)に基づきます。毎年1月末の公表に合わせて更新します。
この記事の要点
- 外国人労働者数は2,571,037人(前年比11.7%増)。5年で1.49倍
- 在留資格で最も伸びたのは特定技能(前年比38.3%増)。次いで特定活動29.6%増
- 業種で最も伸びたのは医療・福祉(25.6%増)。次いで宿泊業・飲食サービス業17.1%増
- 500人以上の事業所は全体の2.9%にすぎないが、外国人労働者の17.1%を抱える。1事業所あたり40.5人
- 国籍ではミャンマー42.5%増が突出。一方ブラジル・ペルーは減少に転じた
外国人労働者数の推移(2021〜2025年)
まず全体像です。届出が義務化された平成19年以降、外国人労働者数は過去最多を更新し続けています。
| 年 | 外国人労働者数 | 前年比 | 事業所数 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 令和3年(2021) | 1,727,221人 | +0.2% | 285,080所 | +6.7% |
| 令和4年(2022) | 1,822,725人 | +5.5% | 298,790所 | +4.8% |
| 令和5年(2023) | 2,048,675人 | +12.4% | 318,775所 | +6.7% |
| 令和6年(2024) | 2,302,587人 | +12.4% | 342,087所 | +7.3% |
| 令和7年(2025) | 2,571,037人 | +11.7% | 371,215所 | +8.5% |
4年間で84万人以上増え、1.49倍になりました。増加率は11.7%と前年(12.4%)からわずかに鈍化していますが、二桁成長が続いています。
注目すべきは、事業所数の伸び(8.5%)が前年の7.3%から加速している点です。1社あたりの採用人数が増えているのではなく、外国人を雇う会社そのものが増えている。外国人労働者数257万人という数字は、一部の大企業が大量に雇った結果ではなく、37万を超える事業所に薄く広く分散した結果です。
外国人労働者数を在留資格別に見る
| 在留資格 | 人数 | 構成比 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 専門的・技術的分野 計 | 865,588人 | 33.7% | +20.4% |
| うち技術・人文知識・国際業務 | 468,068人 | 18.2% | +13.8% |
| うち特定技能 | 286,225人 | 11.1% | +38.3% |
| 身分に基づく在留資格 | 645,590人 | 25.1% | +2.6% |
| 技能実習 | 499,394人 | 19.4% | +6.1% |
| 資格外活動 | 449,324人 | 17.5% | +12.8% |
| うち留学 | 352,791人 | 13.7% | +13.1% |
| 特定活動 | 111,074人 | 4.3% | +29.6% |
特定技能が5年で9.7倍
特定技能は令和3年に29,592人でした。それが令和7年には286,225人。5年で9.7倍です。今回も前年比38.3%増と、全在留資格で最大の伸びを示しました。
ただし、この伸びには制動がかかり始めています。特定技能には分野ごとに「受入れ見込数」という上限が閣議決定で定められており、2026年4月13日、外食業分野で初めて上限に到達して新規受入れが原則停止されました。制度創設以来、初のケースです。
他分野でも同様の停止が起こり得ます。特定技能を前提とした採用計画は、上限の消化状況を確認しながら組む必要があります。
身分系だけが伸びていない
身分に基づく在留資格(永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等)は645,590人で、前年比+2.6%。他の在留資格が二桁で伸びるなかで、ここだけが低成長です。
永住者は+3.7%、定住者は+1.0%、日本人の配偶者等は+0.3%。身分系は、外から供給される在留資格ではありません。長年日本に住み、資格要件を満たした人が積み上がっていく資格です。急には増えません。
この構造は、採用戦略に直結します。就労制限がなく、どの業務にも就ける身分系は、企業にとって最も使いやすい人材です。しかし母集団は年2〜3%しか増えない。身分系を前提とする業種ほど、採用競争は激化します。警備業がその典型です。
外国人労働者数を業種別に見る
| 産業 | 人数 | 構成比 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 635,075人 | 24.7% | +6.1% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 391,946人 | 15.2% | +10.6% |
| 卸売業、小売業 | 340,687人 | 13.3% | +14.2% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 319,999人 | 12.4% | +17.1% |
| 建設業 | 206,468人 | 8.0% | +16.1% |
| 医療、福祉 | 146,105人 | 5.7% | +25.6% |
| 情報通信業 | 97,924人 | 3.8% | +8.1% |
| 教育、学習支援業 | 83,225人 | 3.2% | +0.4% |
伸び率トップは医療・福祉
製造業が24.7%と最大のシェアを占める構図は変わりません。ただし伸び率は+6.1%と、全産業平均の11.7%を下回っています。
伸びているのは医療・福祉(+25.6%)です。うち社会保険・社会福祉・介護事業だけで108,140人。特定技能「介護」の拡大と、2025年2月から一定条件下で訪問サービスへの従事が認められたことが背景にあります。
次いで宿泊業・飲食サービス業(+17.1%)、建設業(+16.1%)。インバウンド回復と建設需要が、そのまま外国人採用の増加に反映されています。
「サービス業」の15.2%は、その大半が派遣・請負
ここは読み解きに注意が必要です。「サービス業(他に分類されないもの)」の391,946人のうち、職業紹介・労働者派遣業が200,091人を占めます。
これは派遣元に籍を置く外国人です。実際に働いている現場は製造業や物流かもしれません。全国で派遣・請負事業所に就労する外国人は430,342人、外国人労働者全体の16.7%にのぼります。
統計を読むときの注意
「外国人雇用状況の届出」は、雇用主が届け出る制度です。派遣労働者は派遣元が届け出るため、統計上は派遣元の産業に計上されます。産業別の数字を見るときは、この16.7%の存在を念頭に置いてください。
外国人労働者数を企業規模別に見る
この記事で最も見ていただきたいのが、この表です。「中小企業が8割」という見出しをよく目にしますが、それは事業所数の話です。外国人労働者数257万人を規模別に分解すると、まったく違う景色が現れます。
| 事業所規模 | 事業所数 | 構成比 | 外国人労働者数 | 構成比 | 1事業所あたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 30人未満 | 234,086所 | 63.1% | 928,267人 | 36.1% | 4.0人 |
| 30〜99人 | 62,891所 | 16.9% | 505,796人 | 19.7% | 8.0人 |
| 100〜499人 | 35,636所 | 9.6% | 593,502人 | 23.1% | 16.7人 |
| 500人以上 | 10,863所 | 2.9% | 439,919人 | 17.1% | 40.5人 |
| 不明 | 27,739所 | 7.5% | 103,553人 | 4.0% | 3.7人 |
| 合計 | 371,215所 | 100% | 2,571,037人 | 100% | 6.9人 |
数では中小企業、量では大手企業
外国人を雇用する事業所のうち、30人未満が63.1%、30〜99人と合わせて80.0%。ここまでは「中小企業が8割」で正しい。
しかし、そこで働く外国人労働者は全体の55.8%にとどまります。残る44.2%は、100人以上の事業所にいます。
とりわけ500人以上の事業所は、数では2.9%しかないのに、外国人労働者の17.1%を抱えています。1事業所あたり40.5人。30人未満(4.0人)の10.1倍です。
100人以上の事業所(46,499所)に絞れば、外国人労働者は1,033,421人。1事業所あたり平均22.2人です。
採用戦略への含意
「中小企業が8割」という見出しは、外国人採用の裾野が広がっていることを示しています。一方で、1社あたりの採用規模は企業規模にほぼ比例します。10名以上を一度に採用する必要があるのは、100人以上の事業所です。採用手法も、受け入れ体制も、規模によってまったく異なる設計が求められます。
増加率では小規模事業所が最速
事業所数の前年比増加率を見ると、30人未満が+9.6%で最も高く、500人以上は+5.3%です。
大手はすでに外国人採用を始めており、これから増えるのは「初めて雇う小規模事業所」だという構図です。裾野は広がり続けます。
外国人労働者数を国籍別に見る
| 国籍 | 人数 | 構成比 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| ベトナム | 605,906人 | 23.6% | +6.2% |
| 中国(香港・マカオ含む) | 431,949人 | 16.8% | +5.7% |
| フィリピン | 260,869人 | 10.1% | +6.2% |
| ネパール | 235,874人 | 9.2% | +25.7% |
| インドネシア | 228,118人 | 8.9% | +34.6% |
| ミャンマー | 163,311人 | 6.4% | +42.5% |
| ブラジル | 134,645人 | 5.2% | −1.1% |
| ペルー | 31,448人 | 1.2% | −0.4% |
ベトナムが最大ですが、伸び率は+6.2%と鈍化しました。5年前の+2.1%から一度加速し、再び落ち着いています。ベトナムの経済成長により、日本の相対的な魅力が低下しているとの指摘があります。
代わって伸びているのが、ミャンマー(+42.5%)、インドネシア(+34.6%)、スリランカ(+28.9%)、ネパール(+25.7%)です。とくにミャンマーは5年前の34,501人から163,311人へ、4.7倍になりました。
一方、ブラジル(−1.1%)とペルー(−0.4%)は減少に転じています。日系人を中心とする定住者層は高齢化が進み、新規の流入も限定的です。製造業の派遣・請負現場では、この減少が人手不足として表面化しています。
外国人労働者数を都道府県別に見る
| 都道府県 | 外国人労働者数 | 構成比 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 652,251人 | 25.4% | +11.3% |
| 愛知 | 249,076人 | 9.7% | +8.5% |
| 大阪 | 208,051人 | 8.1% | +19.1% |
| 神奈川 | 148,888人 | 5.8% | +11.0% |
| 埼玉 | 133,049人 | 5.2% | +10.8% |
東京だけで全体の25.4%。首都圏1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)を合わせると1,040,017人、全体の40.5%が集中しています。
東京の内訳を見ると、産業別で最も多いのは宿泊業・飲食サービス業の131,080人(東京の20.1%)。在留資格別では資格外活動が149,376人(22.9%)、うち留学が115,722人です。東京の外国人雇用は、留学生アルバイトが支えているという構造がはっきり出ています。
伸び率では和歌山(+19.2%)、大阪(+19.1%)、大分・沖縄(+18.1%)が上位です。大阪の伸びは、2025年の万博開催に伴う宿泊・飲食需要が影響したとみられます。
データから読み取れる4つの変化
① 特定技能の「上限」が現実になった
5年で9.7倍に伸びた特定技能は、2026年4月に外食業分野で受入れ上限に到達しました。分野ごとの上限管理を、政府は厳格に運用する姿勢を示しています。「いつでも採れる」制度ではなくなりました。
② 送り出し国の主役が交代しつつある
ベトナムの伸びが鈍化し、ミャンマー・インドネシア・スリランカが二桁後半で伸びています。ブラジル・ペルーは減少。母国語や文化的背景を前提とした受け入れ体制は、5年前の設計のままでは合わなくなります。
③ 身分系の希少性が高まる
就労制限のない身分系在留資格は年2.6%しか増えません。全体が11.7%で伸びるなかで、この差は年々開きます。身分系でしか従事できない業務(警備業務など)を持つ企業は、採用競争が構造的に厳しくなります。
④ 企業規模で採用設計が分岐する
1事業所あたりの外国人労働者数は、30人未満で4.0人、500人以上で40.5人。10倍の開きがあります。数名を採る企業と、数十名を採る企業では、必要なものが違います。
- 〜30人規模:まず1名を適法に採用し、在留カード確認と在留期限管理の型を作る
- 30〜100人規模:複数名の在留期限を一元管理する仕組みと、教育担当の明確化
- 100人以上:ポジション別の必要要件定義、多言語マニュアル、離職率の測定と改善
- 500人以上:本部での在留資格管理体制、複数拠点の統一運用、コンプライアンス監査
よくある質問
外国人労働者数257万人はいつ時点のデータですか
外国人労働者数257万人は、2025年(令和7年)10月末時点の数字です。正確には2,571,037人。厚生労働省が2026年1月30日に公表しました。この統計は毎年1月末に、前年10月末時点の数字が公表されます。
「中小企業が8割」と聞きますが、大企業は外国人を採用していないのですか
いいえ。「8割」は事業所数の話です。外国人を雇用する事業所のうち、30〜99人以下が80.0%を占めます。
しかし労働者数で見ると、100人以上の事業所に40.2%が集中しています。500人以上の事業所は数では2.9%ですが、1事業所あたり40.5人の外国人を雇用しており、30人未満(4.0人)の10.1倍です。裾野は中小企業に広がり、量は大企業が抱えているのが実態です。
これから外国人を採用するなら、どの在留資格から検討すべきですか
業種と、必要な業務内容によって変わります。
アルバイト・パートで人手を確保したい場合は、留学生の資格外活動(週28時間以内)が最大の母集団です。352,791人が働いています。正社員として現場業務を任せたい場合は特定技能ですが、分野によっては新規受入れが停止しています。専門性のある職務なら技術・人文知識・国際業務です。
就労制限がなく、どの業務にも就ける身分系在留資格は最も使いやすい一方、母集団の伸びは年2.6%と限定的です。
統計の数字と、実際の在留外国人数が合わないのはなぜですか
この統計は「事業主に雇用される外国人労働者」の届出件数を集計したものです。特別永住者と、在留資格「外交」「公用」の方は対象外です。また、技能実習等から特定技能へ移行しても、離職を伴わず同一の事業主に継続雇用される場合は届出義務がないため、統計上カウントされません。
出入国在留管理庁が公表する「在留外国人数」とは、集計の目的も対象も異なります。混同しないようご注意ください。
まとめ
- 外国人労働者数は2,571,037人。5年で1.49倍。事業所数の伸びが加速し、裾野が広がっている
- 特定技能は5年で9.7倍。ただし2026年4月、外食業分野で初めて受入れ上限に到達し新規受入れが停止
- 業種別の伸び率トップは医療・福祉(+25.6%)、次いで宿泊業・飲食サービス業(+17.1%)
- 500人以上の事業所は数で2.9%だが、外国人労働者の17.1%を抱える。1事業所あたり40.5人
- ミャンマー+42.5%、インドネシア+34.6%。一方ブラジル・ペルーは減少に転じた
- 就労制限のない身分系在留資格は年+2.6%。希少性は年々高まる
外国人労働者数257万人という見出しだけでは、採用は設計できません。自社の業種、規模、必要な業務内容に照らして、どの在留資格を、何名、どの体制で受け入れるのか。判断の材料になるのは、こうした一次データです。
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外国人採用 実務ライブラリ
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」(令和8年1月30日公表)別添2・別添3(別表1/別表4/別表5/別表6/別表8/参考-1/参考-3/参考-4/参考-5/参考-6/参考-7)/出入国在留管理庁・農林水産省「特定技能外食業分野における受入れ上限の運用について」(2026年3月27日)
集計対象について:本統計の対象は、事業主に雇用される外国人労働者です。特別永住者、在留資格「外交」「公用」の方は含まれません。数値は事業主から提出のあった届出件数を集計したものです。
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の採用にあたっては、出入国在留管理庁または行政書士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。
最終更新:2026年7月(次回更新予定:2027年1月末の統計公表後)
監修
HR AGENCY(外国人採用支援サービス)
外国人アルバイト紹介・外国人正社員紹介・外国人採用コンサルティングを提供。首都圏を中心に、企業向けの外国人採用支援を行っています。


