飲食店の人手不足は、もはや「一店舗の努力」では解決しない
「求人を出しても応募が来ない」「深夜や土日のシフトが埋まらず、店長がずっと現場に入っている」「せっかく採用してもすぐ辞めてしまう」——飲食店を経営していれば、こうした悩みに心当たりがあるのではないでしょうか。
これは、あなたの店だけの問題ではありません。帝国データバンクの調査では、飲食店で非正社員が不足していると答えた企業は58.6%(2026年1月)にのぼります。DXやスポットワークの普及で数字自体は改善傾向にあるものの、依然として全業種のなかでも高い水準です。人手が足りずに営業時間を短縮したり、席数を絞ったりせざるを得ない店も少なくありません。実際、飲食店の倒産件数は2024年に894件と過去最多を更新しており、その背景には人材確保の難しさと人件費の上昇があります。
なぜ、飲食店は人が採れないのか
飲食店の人手不足は、景気や季節による一時的なものではなく、構造的な問題です。主な原因を整理します。
① 働き手そのものの母数が減っている
少子高齢化で、飲食店の主力だった若年層のアルバイト人口そのものが減少しています。加えて、コロナ禍で他業種へ移った人材の多くが戻ってきていません。募集をかけても応募が集まらないのは、店の魅力不足というより、そもそも応募できる人の絶対数が減っているためです。
② 深夜・土日・繁忙期に働ける人が限られる
飲食店は、世間が休む土日祝日や、夜間こそが稼ぎ時です。しかし、この「みんなが休むときに働く」構造は、学生や主婦(主夫)層をはじめ多くの求職者から敬遠されがちです。特に深夜帯・週末のシフトは、応募が集まりにくい時間帯として多くの店が頭を悩ませています。
③ 賃金・条件で他業種に競り負ける
人手不足を背景に、飲食店のアルバイト時給は上昇を続けています。それでも、同じ時給ならコンビニや軽作業など「体力的にラクな仕事」に人が流れやすく、採用の土俵に立つ前に候補者を取られてしまうケースが少なくありません。時給を上げても応募が増えない、という声もよく聞かれます。
採用を増やすだけでは、人手不足は解決しない
人が足りないとき、多くの店はまず求人を強化します。しかし、労働環境や採用対象が変わらないまま募集を繰り返しても、応募は増えず、採用できても定着しない——という悪循環に陥りがちです。残ったスタッフの負担が増え、それがまた次の離職を招く。採用費だけがかさんでいく、という店も少なくありません。
ここで必要なのは、募集の量を増やすことよりも、そもそも誰を採用の対象にするかを見直すことです。従来と同じ層(=日本人の若年層)だけを奪い合う限り、条件競争から抜け出せません。採用の間口を広げることこそ、人手不足を根本から見直す出発点になります。
採用対象を広げる選択肢として、外国人・留学生採用がある
採用の対象を広げるとき、飲食店と特に相性が良いのが外国人留学生アルバイトの採用です。日本語学校や大学に通う留学生は、深夜・早朝・週末のシフトに積極的な方が多く、飲食店が最も人手を欲しがる時間帯と噛み合います。飲食店で働く留学生はいまや欠かせない労働力となっており、応募母数を増やす有力な選択肢です。
ただし、外国人・留学生の採用には正しい知識が欠かせません。飲食店で押さえておきたいポイントを整理します。
留学生アルバイトは「週28時間まで」
留学生をアルバイトとして雇う場合、「資格外活動許可」を得た留学生であれば就労が可能ですが、労働時間は原則として週28時間以内に制限されます(学校の長期休暇期間中は週40時間まで)。この28時間は、複数のアルバイト先を掛け持ちしている場合の合計時間に対する制限です。管理を怠って超過させると、雇用主が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。深夜帯や繁忙期のシフトを組む際は、特に注意が必要です。
正社員採用では在留資格の確認を
ホール・キッチンを担う正社員として外国人を採用する場合は、在留資格の種類によって従事できる業務が変わります。単純な調理・接客のみの業務は在留資格の対象外になることもあり、店長候補や多言語対応など職務内容の設計が重要です。制度は変わることもあるため、採用前に最新の要件を押さえておくと安心です。(※在留資格の制度は変更される可能性があります。最新の状況は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。)
外国人採用を具体的に検討するなら
人手不足の対策として外国人採用を検討する場合は、「どの採用方法が自社に合うか」「費用はどのくらいかかるのか」を先に整理しておくと、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。
飲食店の採用方法を、まず整理しませんか?
人手不足は、一つの施策で一気に解決するものではありません。求人の見直し、労働環境の改善、DXによる省力化、そして採用対象の拡大——これらを組み合わせて、少しずつ「回る状態」に近づけていくものです。
そのなかで外国人・留学生の採用は、応募母数を広げる有力な選択肢です。とはいえ、在留資格の確認やシフト管理、募集のノウハウなど、初めての場合は不安も多いはず。いきなり採用を進めるのではなく、「自店の場合、どんな採用方法が合うのか」「どの採用手段が現実的か」を整理するところから始めるのが確実です。飲食店が取れる採用手段の全体像は、飲食店の採用方法を整理する|採用手段の総合ガイドで詳しく解説しています。
店舗によって、人手不足の原因は異なります。繁忙期だけ人手が足りない店もあれば、深夜帯のシフトが埋まらない店、長期戦力となる社員を探している店もあります。HR AGENCYでは、留学生アルバイト(Wajob)から正社員採用(Wajob Pro)まで、店舗ごとの状況に合わせた採用方法をご提案しています。まずは、自店にはどの方法が合うのかを整理するところから始めてみませんか。無料相談はこちらから、お気軽にお問い合わせください。
監修
HR AGENCY(外国人採用支援サービス)
外国人アルバイト紹介・外国人正社員紹介・外国人採用コンサルティングを提供。首都圏を中心に、企業向けの外国人採用支援を行っています。


