飲食店で外国人を雇用するには?在留資格・注意点・採用の流れ【2026年版】

「飲食店で外国人を雇いたいが、そもそも採用できるのか」——人手不足が長期化するなか、この相談が最も多く寄せられます。
結論から申し上げます。2026年現在も、飲食店は外国人を採用できます。ただし、2026年4月に制度が大きく変わりました。どの在留資格なら採用でき、どの在留資格では採用できないのか。ここを取り違えると、採用計画そのものが止まります。
この記事では、厚生労働省の最新統計と入管法の条文に基づいて、飲食店が知るべき判断基準を整理します。

この記事の結論(2026年7月時点)

  • 飲食店での外国人採用は適法。禁止する法律は存在しない
  • ただし特定技能「外食業」は新規受入れが原則停止(2026年4月13日以降に受理された申請分)
  • 飲食店で最も人数が多いのは資格外活動(留学生アルバイト)=約14.6万人・45.7%
  • 就労制限のない身分系在留資格(永住者・定住者など)も重要な選択肢
  • 週28時間の管理を怠ると、雇用主に不法就労助長罪が成立し得る(過失でも成立)

なお、外国人採用に限らず、飲食店全体の採用方法を比較したい方は飲食店の採用方法を整理する|人手不足を解決する採用手段の総合ガイドをあわせてご覧ください。この記事では、外国人を採用できるかどうかの制度判断に絞って解説します。

飲食店の外国人雇用の現状

感覚ではなく、実数で把握します。厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(令和7年10月末時点)によれば、日本で働く外国人は2,571,037人。届出が義務化された平成19年以降、過去最多です。

このうち「宿泊業、飲食サービス業」は319,999人(全体の12.4%)。統計上、飲食店はこの分類に含まれます。ホテル・旅館などの宿泊業を除き、飲食店だけで268,769人が働いています。

以降、在留資格別の内訳は宿泊業を含む「宿泊業、飲食サービス業」の319,999人ベースで示します。統計が飲食店単独では在留資格別に分解されていないためです。飲食店はこのうち約84%を占めるため、構成比はほぼそのまま飲食店の実態を表していると考えて差し支えありません。

注目すべきは伸び率です。宿泊業・飲食サービス業の外国人労働者は前年から17.1%増。全産業平均の11.7%を大きく上回っています。人手不足を外国人材で埋める動きが、飲食業では他業種より速く進んでいます。

在留資格別の内訳|主力は留学生アルバイト

ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。「外国人が増えている」で止まらず、どの在留資格で増えているのかを見ます。

宿泊業・飲食サービス業の外国人労働者 319,999人の在留資格別内訳(令和7年10月末)

在留資格 人数 構成比 主な働き方
資格外活動(留学生など) 146,336人 45.7% アルバイト(週28時間以内)
専門的・技術的分野 計 87,380人 27.3% 正社員
 うち技術・人文知識・国際業務 34,702人 店長候補・本部・多言語対応
 うち特定技能 31,073人 現場業務(新規受入停止中)
身分に基づく在留資格 59,346人 18.5% 就労制限なし(正社員・アルバイト可)
特定活動 19,024人 5.9% 個別に許可された活動
技能実習 7,892人 2.5% 飲食店の接客・調理は対象外
合計 319,999人 100%

多くの記事は「飲食店では留学生が多い」と書いて終わります。しかし数字で言えば、飲食店で働く外国人の約46%は、留学生などの資格外活動です。正社員が中心となる専門的・技術的分野(27.3%)を大きく上回ります。

逆の角度からも確認できます。全国の資格外活動による外国人労働者は352,791人。そのうち122,945人(34.8%)が宿泊業・飲食サービス業で働いています。留学生アルバイトの3人に1人が、飲食・宿泊の現場にいる計算です。

この数字が意味すること

飲食店の外国人採用を「特定技能」から考え始めるのは、実態と合っていません。母集団が最も大きく、制度上も最も安定しているのは留学生アルバイト(資格外活動)です。まずここから設計するのが現実的な順序になります。

在留資格別・飲食店で採用できるか

在留資格は大きく、「身分・地位に基づくもの(身分系)」と「活動に基づくもの(就労系・非就労系)」に分かれます。飲食店で働けるかどうかは、この区分で決まります。

在留資格 ホール・キッチン 備考
永住者 就労活動に制限がない。日本人と同じ条件で、正社員・アルバイトを問わず雇用できる
定住者
日本人の配偶者等
永住者の配偶者等
特別永住者
留学+資格外活動許可 週28時間以内。長期休業中は1日8時間以内。飲食業は風俗営業等に該当しないため、包括許可の除外対象ではない
家族滞在+資格外活動許可 週28時間以内
特定技能1号「外食業」 停止中 2026年4月13日以降に受理された新規申請は原則不交付・不許可。既存在留者の更新・分野内転職は可
技術・人文知識・国際業務 不可 店長候補・本部業務・多言語対応など、専門性のある職務に限られる。ホール・キッチンの現場作業を主たる業務とすることはできない
技能実習 不可 飲食店の接客・調理は対象職種に含まれない
短期滞在(観光等) 不可 就労は一切認められない

技人国で現場作業はできない

技術・人文知識・国際業務(技人国)は、飲食業界でも34,702人が働いています。ただし、この在留資格で認められるのは専門的な知識・技術・国際感覚を要する業務です。

ホールでの接客、キッチンでの調理、皿洗いといった現場作業を主たる業務とする雇用は、在留資格該当性を欠くと判断されます。研修期間として一時的に現場を経験させることは許容され得ますが、それが恒常的な業務になれば、更新時に不許可となるリスクがあります。

技人国で採用できるのは、店舗マネジメント、多店舗の統括、本部でのメニュー開発・マーケティング、インバウンド対応の企画といった職務です。当社では、この領域を Wajob Pro としてご支援しています。

特定技能「外食業」の新規受入れ停止(2026年4月〜)

飲食店の採用担当者が、いま最も把握すべき制度変更です。

2026年3月27日、農林水産省と出入国在留管理庁は「特定技能外食業分野における受入れ上限の運用について」を公表しました。これにより、2026年4月13日以降に受理された申請から、外食業分野の特定技能1号の新規受入れが原則停止となりました。

なぜ停止したのか

特定技能制度では、分野ごとに「受入れ見込数」という上限が閣議決定で定められています。外食業分野の上限は、2024年度から2028年度までの5年間で5万人。ところがコロナ後の需要回復とインバウンド増加を背景に、想定を大きく上回るペースで在留者が増加しました。

2026年2月末時点の在留者数は約46,000人(速報値)。このまま推移すれば2026年5月頃に上限の5万人を超える見通しとなったため、入管法に基づく停止措置が発動されました。特定技能制度の創設以来、分野の受入見込数に到達して新規受入れが停止されたのは、これが初めてのケースです。

止まるもの、続けられるもの

手続き 取扱い
海外からの呼び寄せ(在留資格認定証明書交付申請) 原則不交付
国内在住者を新たに外食業の特定技能へ変更 原則不許可
他分野の特定技能から外食業への転職 原則不許可
すでに外食業で働く特定技能1号の在留期間更新
外食業分野内での転職(受入機関の変更)
特定技能2号への移行 可(停止対象外)

判断の基準日は受理日です。書類を提出した日やオンラインで送信した日ではなく、入管庁が受付番号を発行した日で判定されます。

留学生アルバイトと身分系は、この停止措置の影響を受けません

停止されたのは特定技能1号「外食業」の新規受入れのみです。資格外活動許可を持つ留学生のアルバイト採用、および永住者・定住者など身分系在留資格の方の採用は、従来どおり行えます。飲食店にとっての現実的な採用ルートは、この2つに集約されつつあります。

制度の詳細と、いま取れる代替策については、特定技能「外食業」が新規受入れ停止|飲食店が今すぐ取れる代替策とはで個別に整理しています。

飲食店が外国人を採用するメリット

応募母集団が桁違いに広がる

日本人だけを対象にした求人で応募が集まらない店舗でも、外国人材を含めれば母集団は大きく変わります。前述のとおり、資格外活動で働く外国人は全国に352,791人。そのうち3人に1人が飲食・宿泊業を選んでいます。飲食店で働くこと自体を志望している層が、すでに厚く存在します。

とりわけ深夜帯、週末、年末年始といった、日本人スタッフの確保が難しい時間帯に応募が得やすい傾向があります。ただしこれは個々人の事情によるものであり、外国人だから深夜に働けるという一般化は避けるべきです。

インバウンド対応が「あるかないか」の差になる

2025年の訪日外国人旅行者数は42,683,600人。前年の36,870,148人を15.8%上回り、初めて4,000万人を突破しました(日本政府観光局)。旅行消費額も約9兆4,559億円で過去最高です。

消費の内訳も変わりつつあります。買い物中心から、宿泊・飲食・交通といった滞在型・体験型へのシフトが進んでいます。観光地や都市部の店舗では、多言語で接客できるスタッフの有無が、そのまま客単価と回転に反映されます。

採用チャネルの分散になる

求人媒体への出稿だけに依存していると、掲載費が固定費化し、応募がなくても支出だけが続きます。外国人材を扱う人材紹介を併用することで、成功報酬型のチャネルを持てます。これは費用構造の分散であって、日本人採用の代替ではありません。

飲食店が外国人を採用するときの注意点

メリットだけを書く記事は信用に値しません。実務上、必ず発生するコストと管理責任を先に共有します。

週28時間の管理責任は、雇用主にある

留学生の資格外活動許可は、原則として1週について28時間以内。在籍する教育機関の長期休業期間中は、1日について8時間以内(週40時間以内)まで認められます。

ここで最も多い事故が、他店との掛け持ちによる超過です。28時間は「自店での労働時間」ではなく「本人が行うすべての資格外活動の合計」で判定されます。自店で週20時間、他店で週15時間働いていれば、合計35時間で超過です。

「1週」の起算日を店舗ごとに勝手に決めることもできません。どの曜日から数え始めても28時間を超えないよう管理する必要があります。人材紹介会社は書類の確認や更新の案内を支援できますが、労働時間の管理責任そのものは、雇用主である店舗にあります。この点を代行できると説明する事業者があれば、慎重に判断してください。

教育と定着に、初期投資が必要になる

日本の飲食店特有の接客——入店時の声かけ、注文の復唱、下げ物のタイミング、クレーム時の初動——は、言語能力とは別の学習項目です。日本語能力試験N2を持っていても、現場でいきなり機能するわけではありません。

ポジション別に必要な日本語レベルを事前に定義し、動画マニュアルや多言語のフレーズ集を整備してから受け入れる。初日から一定期間はマンツーマンのOJTを付ける。この初期投資を省いた店舗では、短期離職が発生しやすくなります。

在留期限の管理を止めると、そこで違法になる

留学生の在留期間は最長で4年3か月、多くは1年または2年ごとの更新です。更新が不許可となった場合、その時点から就労させることはできません。卒業後に在留資格を変更しないまま働き続ければ、不法就労になります。

採用時点の在留カード確認だけでは足りません。全スタッフの在留期限を一元管理し、期限の3か月前にはアラートが出る運用を組んでください。当社では、この管理表を外国人採用の年間運用シートとして無料で公開しています。

文化・宗教への配慮は、面接時に確認する

豚肉やアルコールを扱えない、礼拝の時間を確保したい、といった事情がある場合があります。これは配置の工夫で解決できる範囲のことがほとんどです。採用後に発覚してミスマッチになるより、面接時に率直に確認しておくほうが、双方にとって健全です。

不法就労助長罪|「知らなかった」では免責されない

ここは、飲食店経営者に必ず知っておいていただきたい条文です。

出入国管理及び難民認定法 第73条の2(不法就労助長罪)

事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者、外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者、業として外国人に不法就労活動をさせる行為に関しあっせんした者を、処罰の対象とする。

ポイントは2つあります。

第一に、雇用主が処罰対象になるという点です。不法就労をした外国人本人だけの問題ではありません。第二に、「知らなかった」では免責されないという点です。在留カードの確認を怠るなど過失があれば、故意でなくとも処罰対象となり得ます。

現行の罰則は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(併科可)です。さらに、令和6年の改正入管法(令和6年法律第60号)により、2027年4月1日から5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金へ引き上げられます。両罰規定(入管法第76条の2)により、行為者個人だけでなく法人にも罰金刑が科され得ます。

週28時間を超えて働かせていた、資格外活動許可のスタンプを確認していなかった、在留期限が切れたまま就労させていた——いずれも成立し得ます。飲食店の外国人採用は制度上グレーではありませんが、管理を怠れば違法になるという構造は、正確に理解しておく必要があります。

採用時に必ず確認する3点

① 在留カードは原本を、目視とアプリの両方で

コピーや画像での確認では不十分です。採用時には在留カードの原本を直接確認してください。

  • 表面の在留資格・在留期限(永住者・特別永住者以外は期限あり)
  • 表面の「就労制限の有無」欄の記載
  • 留学・家族滞在の場合、裏面の「資格外活動許可欄」に許可の記載があるか
  • 出入国在留管理庁が提供する在留カード等読取アプリで真偽を確認

偽造在留カードは精巧化しています。目視だけで真正と判断した場合、過失を問われる可能性があります。

② 他店での就労状況を確認する

掛け持ちの有無、週の労働時間、勤務先を面接時に確認します。自己申告に依存せざるを得ない部分はありますが、確認した記録を残しておくこと自体が、過失がなかったことの証明になります。

③ ハローワークへの届出

雇入れ時・離職時の届出は義務です

外国人を雇い入れたとき、および離職したときは、ハローワークへの届出が義務づけられています(労働施策総合推進法第28条)。特別永住者と「外交」「公用」の在留資格を除く、すべての外国人が対象です。アルバイトも含まれます。怠ると30万円以下の罰金が科されます。

よくある質問

飲食店は外国人アルバイトだけで運営できますか

制度上は可能ですが、人員構成を一つの在留資格に依存することはおすすめできません。

留学生アルバイトには、週28時間という労働時間の上限があります。加えて、在留期限の更新、卒業による資格変更、帰国といった事情が、同じ時期に重なることがあります。3月・9月に複数名が同時に抜けて、シフトが組めなくなる。これは実際に起きます。

留学生(資格外活動)・身分系在留資格・日本人を組み合わせることで、在留期限と労働時間のリスクを分散できます。身分系の方は就労制限がなく、フルタイム勤務も可能です。留学生でシフトの厚みを作り、身分系と日本人で基幹の時間帯を固める。この構成が、飲食店では最も安定します。

特定技能「外食業」で働いている外国人は、辞めさせる必要がありますか

いいえ。今回の措置は「新規受入れ」の停止です。すでに外食業分野で働いている特定技能1号の方の在留期間更新は、従来どおり審査されます。外食業分野内での転職(受入機関の変更)も可能です。

また、特定技能2号は停止措置の対象外です。1号で通算5年の上限が近づいている方については、2号への移行を検討する価値があります。2号には在留期間の上限がなく、家族帯同も認められます。

飲食店で外国人を採用するなら日本語レベルはどれくらい必要ですか

ポジションによって異なります。一律にN2以上といった基準を設けると、採用できる母集団を不必要に狭めることになります。

ホールで注文取りとクレーム初動を担うならN2相当が望ましく、配膳・下げ物が中心ならN3相当でも機能します。キッチンの仕込み・洗い場であれば、N4相当から受け入れている店舗が多くあります。

重要なのは、日本語能力試験の級そのものより、そのポジションで必要な語彙を事前に定義し、教育することです。注文の復唱、アレルギー確認、会計時のやりとり。この3つを多言語のフレーズ集で整備するだけで、実務上の壁は大きく下がります。

外国人を採用した後、在留期限はどう管理すればよいですか

全スタッフの在留資格・在留期限・資格外活動許可の有無を一覧化し、期限の3か月前にアラートが出る運用を組んでください。更新申請には時間がかかるため、期限直前では間に合いません。

当社では、この管理表を外国人採用の年間運用シートとして無料で公開しています。印刷してそのまま使えます。

まとめ|留学生アルバイトから設計する

整理します。

  • 飲食店での外国人採用を禁止する法律はない。適法に採用できる
  • 2026年4月13日以降、特定技能「外食業」の新規受入れは原則停止。既存在留者の更新・分野内転職は可
  • 飲食店で働く外国人319,999人のうち、資格外活動(留学生等)が146,336人=45.7%。最大の母集団
  • 身分系在留資格(永住者・定住者等)は就労制限がなく、停止措置の影響も受けない
  • 技人国は店長候補・本部業務向け。現場作業を主たる業務にはできない
  • 週28時間の管理責任は雇用主にある。過失でも不法就労助長罪が成立し得る

2026年の飲食店にとって、最も確実で、最も母集団が大きい選択肢は留学生アルバイト(資格外活動)です。制度が味方している領域であり、正しく管理すれば、法令上のリスクを負うことなく人手不足に対処できます。

当社は、判断の分かれる領域について「大丈夫です」とは申し上げません。制度を正確にご説明したうえで、確実に適法な方法だけをご提案します。

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在留カードの確認方法、週28時間の管理体制の組み方、人員構成の考え方から。
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出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」(令和8年1月30日公表)/出入国在留管理庁・農林水産省「特定技能外食業分野における受入れ上限の運用について」(2026年3月27日)/日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」/出入国在留管理庁「資格外活動許可について」/出入国管理及び難民認定法 第19条・第73条の2/出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律(令和6年法律第60号)/労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第28条

免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の採用にあたっては、出入国在留管理庁または行政書士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。

最終更新:2026年7月

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