海外市場の開拓、インバウンド需要への対応、多言語でのマーケティング――。事業のグローバル化を進めようとするほど、「日本語も話せて、海外の市場や商習慣も肌で理解している人材」の不足が壁になります。日本人だけのチームでは、現地の言語・文化・購買心理まで踏み込んだ施策を打つのが難しいのが実情です。
そこで有効なのが、N1〜N2クラスの日本語力にネイティブ言語を掛け合わせた外国人材の採用です。本記事では、営業・マーケティング領域で外国人を採用する企業側のメリット、在留資格の注意点、採用の進め方、定着のポイントまでを整理します。
目次
1. なぜ今、営業・マーケティングで外国人採用なのか
国内市場の成熟と人口減少を背景に、多くの企業が海外市場の開拓やインバウンド需要の取り込みに活路を求めています。一方で、その担い手となる人材は決定的に不足しています。海外の市場特性や商習慣を理解し、現地の言語で交渉やマーケティングを行える人材は、日本国内の労働市場ではなかなか見つかりません。
特に課題が顕著なのは次の4領域です。ひとつ目は海外市場開拓を担う営業人材の不足。現地のキーパーソンと直接やり取りできる人材がいないために、商談が翻訳・代理店任せになり、スピードと精度が落ちます。ふたつ目はインバウンド対応の壁。来日客への接客・提案を母語水準で行える人材が不足し、機会損失が生じています。
3つ目はグローバルマーケティングの遅れ。海外向けのSNS運用や広告、コンテンツ制作を、現地の購買心理を踏まえて設計できる人材が社内にいないケースが多くあります。4つ目はローカライゼーションの質。単なる翻訳ではなく、文化的なニュアンスまで踏まえた現地化ができるかどうかが、海外展開の成否を分けます。これらをまとめて解決する手段が、日本語力とネイティブ言語を兼ね備えた外国人材の採用です。
2. 外国人材を採用する3つのメリット
① 海外市場開拓のスピードが上がる
現地の言語・商習慣を理解した人材が社内にいれば、海外のパートナーや顧客と直接やり取りできます。代理店や外部翻訳を介さないぶん、意思決定が速くなり、現地のニーズを一次情報として吸い上げられるのが大きな強みです。N1〜N2の日本語力があれば、社内の連携もスムーズです。
② インバウンド営業・接客の質が上がる
来日客や在日外国人顧客に対して、母語で提案・接客ができることは、競合との明確な差別化になります。言語の壁による取りこぼしを減らし、顧客満足とリピートにつなげられます。観光・小売・BtoBいずれの領域でも効果があります。
③ 多言語マーケティングを内製化できる
海外向けのSNS・広告・コンテンツを、現地の購買心理や文化的文脈を踏まえて設計できます。外注では拾いきれない細かなニュアンスを社内で判断できるようになり、施策のPDCAが速く回ります。結果として、ローカライゼーションの質そのものが底上げされます。
3. 在留資格の注意点(技術・人文知識・国際業務)
営業・マーケティング職で外国人を正社員として採用する場合、中心となる在留資格は「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)です。海外取引業務、通訳・翻訳、海外向けの広報・マーケティングなどは、この資格の「国際業務」「人文知識」の範囲に含まれます。
注意したいのは、業務内容と学歴・職歴の関連性が審査されるという点です。担当してもらう業務が、本人の専攻や実務経験と結びついていることを、雇用理由書などで明確に説明できる必要があります。単純作業のみの従事は認められないため、職務内容の設計段階から在留資格を意識しておくことが大切です。
なお、技人国は2026年に提出書類の運用が変更されました。採用実務に直結する変更なので、最新の必要書類は別記事「技術・人文知識・国際業務の必要書類変更(2026年)」で詳しく解説しています。
4. 採用の進め方
まずは「どの市場・どの言語・どの業務」を任せたいかを具体化します。たとえば「東南アジア向けのBtoB営業で、英語と現地語ができる人材」のように要件を言語化すると、候補者選定がぶれません。次に、その業務が技人国の範囲に収まるかを確認し、求人条件と職務内容をすり合わせます。
候補者の見極めでは、日本語力(N1〜N2が目安)に加えて、ネイティブ言語のビジネスレベルの運用力、対象市場での実務・生活経験を確認します。面接では、実際の商談やマーケ施策を想定したケース質問を入れると、即戦力性が判断しやすくなります。Wajob Proでは、こうした要件整理から候補者紹介までを採用企業側の視点でサポートしています。
5. 採用後の定着のポイント
採用がゴールではなく、定着して成果を出してもらうことが本来の目的です。営業・マーケ職では、評価基準や目標設定を明確に共有することが特に重要です。文化的背景によって「察する」前提が通じないことがあるため、期待する役割と評価の物差しを言語化して伝えることが、すれ違いを防ぎます。
また、海外市場の知見を持つ人材は、その知見を活かせる裁量があってこそ力を発揮します。現地の提案を吸い上げ、施策に反映するルートを社内に用意しておくと、本人のモチベーションと成果の両方が高まります。日本語でのコミュニケーション負荷を下げる配慮(会議資料の事前共有など)も、定着を後押しします。
6. まとめ
海外市場開拓・インバウンド対応・グローバルマーケティングの担い手不足は、多くの企業に共通する課題です。N1〜N2の日本語力とネイティブ言語を兼ね備えた外国人材は、これらを社内で解決する有力な手段になります。在留資格(技人国)の要件を踏まえた職務設計と、定着を見据えた受け入れ体制があれば、採用の効果は大きく高まります。
グローバル人材の採用をご検討中の企業さまへ
Wajob Proが、海外市場・商習慣を理解した外国人材の採用を、要件整理から候補者紹介まで採用企業側の視点でサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 営業職で外国人を採用する場合、どの在留資格になりますか?
A. 海外取引・通訳翻訳・海外向けマーケティングなどは「技術・人文知識・国際業務」の範囲に含まれます。業務内容と本人の学歴・職歴の関連性が審査されるため、職務設計の段階から意識しておくことが大切です。
Q. どのくらいの日本語力が必要ですか?
A. 社内連携や商談を考えると、N1〜N2が目安です。これに対象市場のネイティブ言語のビジネスレベル運用力が加わると、海外展開の即戦力になります。
Q. 紹介してもらえる対応エリアはどこですか?
A. 首都圏が対応エリアです。詳細はお問い合わせ時にご確認ください。
運営者情報
株式会社HRエージェンシー(有料職業紹介許可番号 13-ユ-317049)/東京都中央区銀座1-16-7 銀座大栄ビル5階。外国人材の採用支援サービス「Wajob Pro」(正社員紹介)・「Wajob」(留学生アルバイト紹介)を運営しています。
出典
出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」在留資格関連情報。最新の必要書類・運用は同庁の公表情報をご確認ください。
監修
HR AGENCY(外国人採用支援サービス)
外国人アルバイト紹介・外国人正社員紹介・外国人採用コンサルティングを提供。首都圏を中心に、企業向けの外国人採用支援を行っています。


