特定技能「外食業」新規受入れ停止|飲食店が今すぐ取れる代替策【2026年版】

2026年4月13日以降に受理された申請から、特定技能「外食業分野」の新規受入れが原則停止されました。海外からの呼び寄せだけでなく、国内での在留資格変更(留学から特定技能への切り替えなど)も原則できません。
これは、2019年の特定技能制度創設以来、分野の受入れ見込数に到達して新規受入れが停止された初めてのケースです。
この記事では、何が止まり、何が止まっていないのかを正確に整理したうえで、飲食店がいま現実に取れる採用ルートを、制度と数字に基づいてご説明します。

この記事の結論

  • 止まったのは新規受入れのみ。いま働いている人の更新・分野内転職は従来どおり可能
  • 判断の基準日は受理日。提出日でも送信日でもない
  • 特定技能制度で受入れ上限に到達した初のケース。他分野でも起こり得る
  • 停止の影響を受けないのは留学生アルバイト(資格外活動)と身分系在留資格
  • 飲食店で働く外国人の45.7%は資格外活動。母集団は特定技能より大きい
  • 当社は登録支援機関ではありません。特定技能の受け入れ支援は行っておりません

2026年4月13日、何が変わったのか

2026年3月27日、農林水産省と出入国在留管理庁は連名で「特定技能外食業分野における受入れ上限の運用について」を公表しました。

これにより、2026年4月13日以降に受理された申請から、外食業分野の特定技能1号の新規受入れが原則停止となりました。発表から施行まで、わずか約2週間でした。

止まるもの、止まらないもの

手続き 取扱い 補足
海外からの新規呼び寄せ
(在留資格認定証明書交付申請)
原則 不交付 4月13日以降に受理された申請
国内での在留資格変更
(留学 → 特定技能「外食業」)
原則 不許可 同上
他分野の特定技能から外食業への転職 原則 不許可 同上
すでに外食業で働く特定技能1号の
在留期間更新
可能 従来どおり審査される
外食業分野内での転職
(受入機関の変更)
可能 「新規受入」ではなく「受入機関変更」の扱い
特定技能2号への移行 可能 2号に受入れ上限はない

基準日は「受理日」です

書類を窓口に出した日でも、オンラインで送信した日でもありません。入管庁が受付番号を発行した日で判定されます。書類不備で受理が遅れた場合、意図せず4月13日以降の扱いになるリスクがあります。

例外として審査が進むケース

次のいずれかに該当する申請は、受入れ見込数の範囲内で順次審査されます。ただし無制限ではなく、在留者数の状況によっては特定技能1号ではなく「特定活動(特定技能1号移行準備)」への変更や更新を案内される場合があります。

  • すでに外食業分野で特定技能1号として在留している人からの申請(転職等)
  • 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了した人からの申請
  • 2026年4月13日より前に受理された申請で、かつ2026年3月27日までに食品産業特定技能協議会への加入申請を行っているもの

なぜ停止されたのか

特定技能制度では、分野ごとに「受入れ見込数」という上限が閣議決定によって定められています。これは「人手不足への対応に必要な範囲を超えて外国人を受け入れすぎない」ための仕組みです。

外食業分野の上限は、2024年度から2028年度までの5年間で5万人。ところがコロナ後の外食需要の回復とインバウンド増加を背景に、想定を大きく上回るペースで在留者が増加しました。

2026年2月末時点の在留者数は約46,000人(速報値)。このまま推移すれば2026年5月頃に上限の5万人を超える見通しとなったため、入管法の規定に基づく停止措置が発動されました。

他分野でも同じことが起こり得ます

受入れ見込数の上限は、外食業だけでなくすべての分野に設定されています。飲食料品製造業、介護、工業製品製造業、建設なども例外ではありません。今回の措置は、政府が上限管理を厳格に運用する姿勢を示した先例です。「いつか外国人採用を始めよう」と考えている企業は、その「いつか」が突然なくなる可能性があることを、この件は示しています。

再開の見通し

再開時期は公表されていません。受入れ見込数が引き上げられるか、在留者数が上限を下回るまで、当面は停止が続くと見られています。

「いつ再開するか分からない」という前提で採用計画を組み直す必要があります。再開を待つ判断は、その間の人手不足をそのまま受け入れることを意味します。

飲食店がいま取れる採用ルート

特定技能が止まったからといって、外国人を採用できなくなったわけではありません。むしろ、飲食店にとって最大の母集団は、もともと特定技能ではありませんでした。

数字で見る、飲食店の外国人の内訳

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(令和7年10月末時点)によれば、宿泊業・飲食サービス業で働く外国人は319,999人。その在留資格別の内訳です。

宿泊業・飲食サービス業の外国人労働者 319,999人の在留資格別内訳(令和7年10月末)
在留資格 人数 構成比 停止措置の影響
資格外活動(留学生など) 146,336人 45.7% 影響なし
身分に基づく在留資格 59,346人 18.5% 影響なし
技術・人文知識・国際業務 34,702人 10.8% 影響なし
特定技能 31,073人 9.7% 新規受入停止
特定活動 19,024人 5.9% 個別判断
技能実習 7,892人 2.5% 飲食店の接客・調理は対象外

特定技能は9.7%にすぎません。一方、資格外活動(留学生アルバイト)は45.7%。約4.7倍の母集団があります。停止措置の影響を受けるのは、実は飲食業界の外国人労働者の1割弱です。

① 留学生アルバイト(資格外活動)

飲食店にとって、最も現実的で、最も母集団の大きい選択肢です。

資格外活動許可を得た留学生を、原則週28時間以内(在籍校の長期休業期間中は1日8時間以内)で雇用できます。分野ごとの受入れ上限はなく、今回の停止措置の影響を受けません。

全国の資格外活動による外国人労働者は352,791人。そのうち122,945人、実に34.8%が宿泊業・飲食サービス業で働いています。留学生アルバイトの3人に1人が、飲食・宿泊の現場にいる計算です。飲食店で働くことを志望する層が、すでに厚く存在しています。

週28時間の管理責任は、雇用主にあります

28時間は「自店での労働時間」ではなく、本人が行うすべての資格外活動の合計で判定されます。他店との掛け持ちがあれば合算されます。人材紹介会社は書類の確認や更新の案内を支援できますが、労働時間の管理責任そのものは雇用主である店舗にあります。これを代行できると説明する事業者があれば、慎重に判断してください。

② 身分系在留資格

永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、特別永住者。これらは就労活動に制限がありません。日本人と同じ条件で、正社員・アルバイトを問わず雇用できます。当然、停止措置の影響も受けません。

ただし、身分系の外国人労働者は全国で645,590人、前年比+2.6%。全体が11.7%で伸びるなかで、ここだけが低成長です。母集団は年2〜3%しか増えません。採用競争は今後さらに厳しくなります。

③ 特定技能2号への移行

いま外食業で働く特定技能1号の方がいる場合、2号への移行は停止対象外です。2号には在留期間の上限がなく、家族帯同も認められます。

移行には外食業分野の特定技能2号評価試験の合格が必要です。食品衛生法の営業許可を受けた飲食店において、複数のアルバイト従業員等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、副店長・サブマネージャー等として店舗管理を補助した実務経験が求められます。

1号で通算5年の上限が近づいている方にとって、有力な選択肢です。ただし、この手続きの支援は登録支援機関または申請取次行政書士にご相談ください。

④ 飲食料品製造業分野の検討

業務の実態がセントラルキッチンでの調理・加工、包装などである場合、外食業ではなく飲食料品製造業分野に該当する可能性があります。この分野は停止対象外です。

ただし外食業と飲食料品製造業は別分野です。外食業の試験合格者がそのまま移行することはできず、飲食料品製造業として新たに試験に合格する必要があります。

当社が対応している範囲

株式会社HRエージェンシーは、厚生労働大臣の有料職業紹介事業許可(13-ユ-317049)を受けた人材紹介会社です。

当社は登録支援機関ではありません

出入国在留管理庁の登録支援機関としての登録は受けておらず、特定技能の受け入れ支援は行っておりません。上記③④のような特定技能に関する手続きは承れません。

当社が専門としているのは、留学生アルバイトの紹介(Wajob)と、技術・人文知識・国際業務による専門職正社員の紹介(Wajob Pro)です。特定技能をご検討の場合は、出入国在留管理庁が公開する「登録支援機関登録簿」からお探しください。

今回の停止措置で影響を受けた飲食店には、留学生アルバイトへの切り替えをご提案しています。制度上、最も安定しており、母集団も最大だからです。

よくある質問

今、外食業で働いている特定技能の外国人は退職させる必要がありますか

いいえ。今回の措置は新規受入れに関するものです。すでに働いている方の在留期間の更新、外食業分野内での転職は、引き続き通常どおり審査されます。いま在籍しているスタッフへの影響はありません。

特定技能1号の通算在留期間の上限(5年)も変更されていません。

留学生アルバイトは停止措置の影響を受けますか

受けません。留学生のアルバイトは資格外活動許可に基づく別の枠組みです。特定技能のような分野別の受入れ上限はありません。

飲食店で働く外国人の45.7%が資格外活動であり、特定技能(9.7%)の約4.7倍の母集団があります。

留学生アルバイトを雇うときの注意点は

原則週28時間以内という労働時間の上限と、在留カード裏面の資格外活動許可欄の確認が必要です。在籍校の長期休業期間中は1日8時間以内まで認められます。

複数の勤務先で掛け持ちしている場合、労働時間は合算されます。自店で週20時間、他店で週15時間なら、合計35時間で超過です。面接時に他店での就労状況を確認し、記録を残してください。

週28時間を超えたら、どうなりますか

外国人本人が不法就労となるだけでなく、雇用主にも不法就労助長罪(入管法第73条の2)が成立し得ます

重要なのは、「知らなかった」では免責されないという点です。在留カードの確認を怠るなど過失があれば、故意でなくとも処罰対象となり得ます(入管法第73条の2第2項)。

現行の罰則は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(併科可)です。さらに、令和6年の改正入管法(令和6年法律第60号)により、2027年4月1日から5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金へ引き上げられます。両罰規定(入管法第76条の2)があるため、行為者個人だけでなく法人にも罰金刑が科され得ます。

刑事罰以外の影響も大きく、罰金刑を受けた場合、その後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなります。有料職業紹介事業や労働者派遣事業などの許認可事業では、許可取消しや業務停止処分の対象にもなり得ます。

特定技能の受入れはいつ再開されますか

2026年7月時点で、再開時期は公表されていません。受入れ見込数が引き上げられるか、在留者数が上限を下回るまで、当面は停止が続くと見られています。

最新情報は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。ただし、再開を待つ判断はその間の人手不足を受け入れることと同義です。停止中の今こそ、他のルートを設計しておく価値があります。

まとめ

  • 2026年4月13日以降に受理された申請から、特定技能「外食業」の新規受入れが原則停止
  • 制度創設以来、受入れ見込数に到達して新規受入れが停止された初のケース
  • 止まったのは新規受入れのみ。更新・分野内転職・2号移行は可能
  • 判断の基準日は受理日。提出日でも送信日でもない
  • 飲食店の外国人のうち特定技能は9.7%。資格外活動(留学生)は45.7%で約4.7倍
  • 留学生アルバイトと身分系在留資格は、停止措置の影響を受けない
  • 他分野でも上限到達は起こり得る。「いつでも採れる制度」ではなくなった

「特定技能が使えないから採用できない」というのは、正確ではありません。飲食業界の外国人採用は、もともと留学生アルバイトが主力でした。停止措置は、その事実を可視化しただけとも言えます。

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まずは現在の採用状況をお聞かせください。

飲食店の外国人採用を相談する

ご相談は無料です。特定技能は取り扱っておりません

出典:出入国在留管理庁・農林水産省「特定技能外食業分野における受入れ上限の運用について」(2026年3月27日)/「特定技能制度の受入れ見込数の再設定」(令和6年3月29日閣議決定)/厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」(令和8年1月30日公表)別添3 別表4・別表6/出入国在留管理庁「資格外活動許可について」/同「令和6年入管法等改正について」(法律第60号の施行日は一部の規定を除き令和9年4月1日)/出入国管理及び難民認定法 第7条の2・第19条・第73条の2・第76条の2

免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の採用・申請にあたっては、出入国在留管理庁の最新の公表情報、または申請取次行政書士等の専門家にご確認ください。

当社について:株式会社HRエージェンシー/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-317049。登録支援機関の登録は受けておりません。

最終更新:2026年7月

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監修

HR AGENCY(外国人採用支援サービス)

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