留学から就労ビザへ
在留資格変更の流れと
学校のサポート
留学生が日本企業に就職するには、在留資格を「留学」から就労資格へ変更する必要があります。申請の全体スケジュール、必要書類、不許可になりやすいケースと対策、そして学校ができること・できないことまで、担当者の視点で整理しました。日本語学校・専門学校・大学のキャリアセンターのご担当者向けの内容です。
留学生の就職には在留資格変更が必須
在留資格「留学」は、日本で学ぶための資格です。卒業して企業に就職する際は、就労が認められる在留資格——多くは「技術・人文知識・国際業務(技人国)」——へ変更する手続きが必要になります。この在留資格変更許可申請が、留学生の就職における最後の関門です。
手続き自体は学生本人と企業が行いますが、申請時期や必要書類の準備で学校のサポートが学生の負担を大きく左右します。本記事では、変更手続きの全体像と、学校が関われる部分・関われない部分を整理します。
そもそも技人国がどのような在留資格かは、技術・人文知識・国際業務とは?学校担当者が知るべき就労資格の基礎で詳しく解説しています。
在留資格変更許可申請の全体の流れ
内定から入社までの大まかな流れは次のとおりです。各ステップで誰が動くかを押さえておくと、学校としてどこを支援すべきかが見えてきます。
申請は学生本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局で行います。審査期間はおおむね1〜3か月、許可時には手数料6,000円(オンライン申請は5,500円)が必要です。許可されると新しい在留カードが交付され、就労が可能になります。
出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
4月入社から逆算する年間スケジュール
担当者が最も知りたいのが、「いつ何をすべきか」です。4月入社を例に、逆算した年間スケジュールを整理しました。出入国在留管理庁は、4月就労を希望する場合、前年12月1日から1月末までの申請を推奨しています。
内定・就職先の決定
就職活動を経て内定を得ます。学校は、内定先の業務が専攻と関連しているか(技人国の該当性)を早めに確認できると、後の不許可リスクを減らせます。
書類の準備
卒業見込証明書、成績証明書などを学校が発行します。企業側は雇用契約書・会社案内・登記事項証明書などを準備します。書類の不足は審査遅延の主因のため、早めの着手が重要です。
在留資格変更許可申請
4月就労を希望する場合の推奨申請期間です。この時期を過ぎると、4月入社に審査が間に合わない可能性があります。学生に申請時期を周知することが学校の重要な役割です。
審査期間
おおむね1〜3か月の審査が行われます。この間に追加書類を求められることもあります。学生が連絡を見落とさないよう、学校から声かけをしておくと安心です。
卒業証明書の提出・在留カード受領
卒業証明書を提出し、新しい在留カードを受け取ります。卒業見込で申請した場合は、卒業証明書の追加提出が必要です。
入社・就労開始
在留資格変更が許可され、就労を開始します。
出典:出入国在留管理庁「在留資格『留学』から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ」
申請に必要な書類
必要書類は、学生・学校・企業の三者がそれぞれ準備します。学校が発行する書類は審査の基礎になるため、依頼があったら速やかに対応できる体制が望まれます。
企業区分によって提出書類が異なるほか、2026年4月15日以降の申請では、一部区分で言語能力を証する資料が求められる場合があります。最新の提出書類一覧は出入国在留管理庁のチェックシートで確認するよう、学生・企業に案内するとよいでしょう。
出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」提出書類一覧
不許可になりやすいケースと対策
就職時の在留資格変更で不許可になる背景には、いくつかの典型パターンがあります。学校が事前に把握しておくことで、学生への注意喚起や書類準備の段階でリスクを減らせます。
専攻と職務の関連性が薄い
最も多い不許可理由です。学校で学んだ分野と就職先の業務に関連性がないと、技人国の該当性が認められません。対策:内定段階で専攻と業務の関連を確認し、関連性を説明する文書を添えると審査がスムーズになります。専門学校卒は特に厳密に問われます。
企業の事業内容・実態に疑義がある
申請先企業の事業実態が確認できない、業務内容が不明確といった場合に不許可となります。対策:会社案内や事業内容の資料を整え、業務内容を具体的に記載します。学生が就職先の事業をきちんと理解しているかも確認しておきます。
雇用条件(報酬等)の不備
報酬が日本人と同等以上でない、雇用条件が不明確といった場合に問題になります。対策:雇用契約書に職務内容・期間・報酬を明記し、報酬水準が適切であることを示します。
提出書類の不足・不整合
必要書類がそろっていない、記載内容に食い違いがあると、審査の遅延や不許可につながります。対策:提出書類チェックシートで漏れを確認し、書類間で内容が一致しているかを点検します。
在留状況に問題がある
在学中の資格外活動(アルバイト)が週28時間の上限を超えていた、出席率が著しく低いといった在留状況の問題も不許可理由になります。対策:これは在学中からの指導が鍵です。アルバイト時間の管理と出席率の維持を、日頃から学生に促しておくことが最大の予防策です。
学校ができること・できないこと
在留資格変更で学校がどこまで関われるかを、正しく理解しておくことが大切です。できることとできないことを混同すると、学生に誤った期待を与えてしまいます。
学校ができること
卒業(見込)証明書・成績証明書の発行、申請スケジュールの周知、必要書類の案内、在学中の在留状況(アルバイト時間・出席率)の指導、専攻と業務の関連性の早期確認。これらは学生の就職実現を大きく後押しします。
学校ができないこと
在留資格変更許可申請そのものの代理(取次は行政書士や企業職員等の領域)、許可の保証、入管の判断への関与。これらは学校の役割の範囲外です。学生には「申請は本人と企業が行う」と正しく伝えます。
つまり学校の役割は、「申請そのものを代行すること」ではなく、「学生が滞りなく申請にたどり着けるよう環境を整えること」です。証明書の迅速な発行、申請時期の周知、在留状況の指導という、学校だからこそできる支援に注力するのが効果的です。
出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」申請等取次者に関する規定
専門的な部分は外部と連携する選択肢
在留資格変更は、専攻と業務の関連性の判断や書類整備など、専門性の高い領域を含みます。学校が申請代理を行うことはできませんが、企業ネットワークや在留資格に関する知見を持つ外部パートナーと連携することで、学生に専攻と関連する求人を紹介し、不許可リスクを抑える支援につなげられます。
HR AGENCYでは、教育機関との連携を進めています。現在は首都圏を中心に、企業紹介・企業説明会支援・就職支援・インターン支援を行っています。費用面については、連携内容によって異なります。詳細は個別にご相談ください。
留学生の就職支援や企業連携について詳しく知りたい方は、教育機関向け提携ページもあわせてご覧ください。
FAQ|在留資格変更について
4月入社の場合、いつ在留資格変更を申請すればよいですか?
出入国在留管理庁は、4月就労を希望する場合、前年12月1日から1月末までの申請を推奨しています。審査はおおむね1〜3か月かかるため、この時期を過ぎると4月入社に間に合わない可能性があります。学校から学生への申請時期の周知が重要です。
在留資格変更で不許可になりやすいのはどんなケースですか?
専攻と職務の関連性が薄い、企業の事業内容・実態に疑義がある、雇用条件(報酬等)の不備、提出書類の不足・不整合、在学中の在留状況(アルバイト時間超過・出席率低下)に問題がある、といったケースです。特に専攻と業務の関連性は最も多い不許可理由です。
学校は在留資格変更の申請を代理できますか?
できません。申請の代理(取次)は行政書士や企業職員等の領域で、学校の役割の範囲外です。学校ができるのは、卒業証明書等の発行、申請スケジュールの周知、在留状況の指導など、学生が滞りなく申請にたどり着けるよう環境を整えることです。
在学中のアルバイトは在留資格変更に影響しますか?
影響します。資格外活動(アルバイト)の週28時間の上限を超えていた場合や、出席率が著しく低い場合は、在留状況が悪いと判断され不許可になることがあります。在学中からアルバイト時間の管理と出席率の維持を学生に促しておくことが、最大の予防策です。
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本記事は、出入国在留管理庁が公表する在留資格変更許可申請の手続き・必要書類・申請時期に関する資料をもとに作成しています。手続きの詳細や個別の判断は、申請時点の最新情報を出入国在留管理庁の公表情報や専門家へご確認ください。
監修
HR AGENCY(外国人採用支援サービス)
外国人アルバイト紹介・外国人正社員紹介・外国人採用コンサルティングを提供。首都圏を中心に、企業向けの外国人採用支援を行っています。


