転職の直後に在留期間の更新時期が重なると、「転職したばかりで不利にならないか」と不安になる方は少なくありません。更新は転職の有無にかかわらず必要な手続きですが、転職直後は在職期間が短い状態で審査を受けることになります。この記事では、更新手続きの基本に加えて、転職の時期を考えるうえで押さえておきたい点を整理します。
この記事の要点
- 申請できるのは在留期間の満了する概ね3か月前から(6か月以上の在留期間がある場合)
- 標準処理期間は2週間から1か月だが、実際の平均処理日数はこれより長い
- 手数料は許可されるとき6,000円(オンライン申請は5,500円)
- 転職と更新が重なる場合、所属機関に関する届出は別に必要
- 転職直後は在職期間が短い状態で審査を受けることになる
- 更新できるかは職務内容が在留資格に該当するかが前提
- 期限までに申請していれば、審査中も特例期間として従前の活動を継続できる
目次
在留期間更新許可申請の基本
在留期間更新許可申請は、現在の在留資格のまま日本での在留期間を延長するための手続きです。転職の有無にかかわらず、在留期間の満了が近づけば必要になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請できる期間 | 在留期間の満了する日以前(6か月以上の在留期間を有する場合は、満了する概ね3か月前から) |
| 提出先 | 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署 |
| 手数料 | 許可されるとき6,000円(オンライン申請は5,500円)/収入印紙で納付 |
| 申請できる人 | 申請人本人、法定代理人、承認を受けた取次者など |
手数料の改定が予定されています
出入国在留管理庁は、2026年10月から在留期間更新許可申請の手数料を変更する予定であることを案内しています。この記事の作成時点では新しい金額は公表されていません。申請の際は、出入国在留管理庁のウェブサイトで最新の情報を確認してください。
取次者による申請
取次者が申請を提出する場合、申請人本人は地方出入国在留管理官署に出頭しなくてもよいとされています。ただし日本に滞在していることが必要です。取次者には、勤務先の職員で承認を受けた方や、地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士・行政書士が含まれます。
なお出入国在留管理庁は、仕事の多忙や通勤・通学といった事情は「自ら出頭することができない場合」には該当しないとしています。
いつから申請できるか
申請できるのは、在留期間の満了する日以前です。6か月以上の在留期間を有している方の場合、満了する概ね3か月前から受け付けられます。
入院や長期の出張など特別な事情が認められる場合は、3か月以上前から受け付けられることもあるとされています。この場合は、事前に申請する地方出入国在留管理官署に問い合わせることになります。
早めの申請が推奨される時期
年度替わりや採用の時期には、入管の審査が混み合うことがあります。在留期限が近づいてから準備を始めると、余裕がなくなります。申請できる3か月前の時点で準備を始めるのが安全です。
処理期間は「2週間〜1か月」で済まないことがある
ここが、転職を考えるうえで最も実務的な論点です。
標準処理期間と実際の処理日数は違う
在留期間更新許可申請の標準処理期間は、一般に2週間から1か月とされています。しかし出入国在留管理庁は、実際にかかった日数を「在留審査処理期間(日数)」として公表しています。
| 在留資格 | 在留期間更新 | 在留資格変更 |
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 40.5日 | 64.2日 |
| 特定技能1号 | 40.9日 | 62.8日 |
| 留学 | 42.2日 | 50.2日 |
技人国の更新で平均40.5日、在留資格変更では平均64.2日です。標準処理期間の目安より長くかかっているのが実態です。
この数字は時期によって変動します
在留審査処理期間は出入国在留管理庁が定期的に公表しており、申請の集中する時期や在留資格によって変動します。上記は特定の月の数字であり、常にこの日数になるという意味ではありません。最新の数字は出入国在留管理庁のウェブサイトで確認できます。
3か月前から申請できる理由
申請できるのが満了の3か月前からとされているのは、この処理期間を考えれば理解しやすいはずです。平均で40日前後、混雑期にはそれ以上かかることを踏まえると、満了間際の申請では余裕がありません。
転職を控えている方は、この点をスケジュールに織り込んでおく必要があります。
申請中に在留期限が来たらどうなるか
処理に時間がかかる以上、審査中に在留期間の満了日を迎えることがあります。この場合の扱いが特例期間です。
出入国在留管理庁の説明(特例期間)
在留カードを所持している方が在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請を行った場合において、その申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときは、処分がされる時、または在留期間の満了の日から2月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き従前の在留資格をもって在留でき、従前の活動を行うことができるとされています。
つまり、在留期限までに申請を済ませていれば、審査中に期限が来ても従前の在留資格のまま在留し、従前の活動を続けることができます。就労できる在留資格であれば、就労も続けられます。
ただし、これは在留期限までに申請していることが前提です。また、期間には上限があります。満了日から2か月が経過する日までに処分がされない場合でも、それ以降は特例期間の対象外となります。
在留カードの裏面を確認してください
在留期間更新許可申請等を行うと、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されます(オンライン申請の場合を除く)。在留カード表面に記載の在留期間が過ぎている場合は、裏面も確認してください。
転職直後の更新で意識しておきたいこと
転職の直後に更新時期が重なる場合、通常とは異なる状況で審査を受けることになります。
在職期間が短い状態で審査を受ける
更新の審査では、申請時点での活動状況が確認されます。転職して間もない時期は、転職先での在職期間が短い状態です。
転職そのものが直ちに不利になるというものではありません。ただし、転職先での活動が始まったばかりの段階では、これまでの在職期間と比べて示せる実績が少なくなります。
職務内容が在留資格に該当することが前提
より重要なのはこちらです。更新が認められるためには、行っている活動が現在の在留資格に該当していることが前提になります。
転職先の職務内容が在留資格の範囲を超えている場合、更新ではなく在留資格変更許可申請が必要です。この判断は転職の段階で済ませておくべきもので、更新の時期になって初めて向き合うと、選択肢が限られます。
職務内容と在留資格の関係については、外国人が転職するときの在留資格ガイド|種類ごとの考え方と必要な手続きで整理しています。
更新の可否は個別に判断されます
在留期間の更新は、申請人の在留状況や活動内容などをもとに、出入国在留管理庁が個別に審査して判断します。転職の有無だけで結果が決まるものではありません。この記事の内容は一般的な整理であり、実際の許可・不許可を示すものではありません。
転職の時期をどう考えるか
在留期間の満了日と転職の時期が近い場合、どう考えればよいかを整理します。
まず在留期限を確認する
転職を検討し始めた段階で、在留カードに記載された在留期間の満了日を確認してください。ここが起点になります。
満了日までの期間による考え方
- 満了まで1年以上ある 更新の時期を気にせず転職活動を進められる
- 満了まで6か月前後 転職先が決まる時期と更新申請の時期が近づく。入社日と申請時期を並べて確認しておく
- 満了まで3か月以内 更新申請の受付期間に入っている。転職と更新のどちらを先に進めるか、個別に確認した方がよい
転職と更新が重なる場合の手続き
転職と更新の時期が重なった場合、注意すべき点があります。出入国在留管理庁は、在留期間更新許可を受けていても、転職に係る所属機関の届出は必要としています。
更新の手続きをすれば届出も済んだことになる、という誤解が生じやすい部分です。この2つは別の手続きです。詳しくは転職したら入管への届出は必要?14日以内の手続きと不要になるケースをご覧ください。
更新と他の手続きの関係
転職の場面では複数の手続きが関わります。整理しておきます。
| 手続き | 性質 | 転職との関係 |
|---|---|---|
| 所属機関に関する届出 | 義務(14日以内) | 転職後に行う。在留資格変更許可を受けた場合は不要 |
| 在留期間更新許可申請 | 在留を継続するために必要 | 満了日が近づけば、転職の有無にかかわらず必要 |
| 在留資格変更許可申請 | 活動内容が変わる場合に必要 | 職務内容が在留資格の範囲を超える場合や、高度専門職1号で所属機関が変わる場合 |
| 就労資格証明書交付申請 | 任意 | 職務内容が在留資格の範囲に入るか確認したいとき |
このうち、更新と変更は同時に行うものではありません。活動内容が変わる場合は変更許可申請を行い、その際に新しい在留期間が決定されます。活動内容が変わらず在留期間だけを延ばす場合が更新です。
高度専門職1号の場合
高度専門職1号は所属機関が法務大臣によって指定されるため、転職して所属機関が変わる場合は在留資格変更許可申請を行うことになります。この場合、変更許可の際に在留期間も決定されるため、あらためて更新申請を行う必要はありません。
また、変更許可を受けている場合は転職に係る所属機関の届出も不要です。高度専門職で転職するには|手続き・ポイント・転職先の選び方を解説もあわせてご覧ください。
在留期限と転職の時期が近い方は、早めに整理しておくと選択肢が広がります。
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よくある質問
転職すると在留期間の更新で不利になりますか。
転職の有無だけで結果が決まるものではありません。更新の審査は、行っている活動が在留資格に該当しているか、在留状況が良好かなどをもとに、出入国在留管理庁が個別に判断します。ただし転職直後は、転職先での在職期間が短い状態で審査を受けることになります。
在留期限が迫っていますが、転職しても大丈夫ですか。
在留期限までの期間や、転職先の職務内容によって考え方が変わります。満了まで3か月以内であれば更新申請の受付期間に入っているため、転職と更新のどちらを先に進めるか、個別に確認した方がよい場面です。入管の窓口や、入管業務を扱う専門家に相談することをおすすめします。
更新の申請中に転職できますか。
更新申請の審査中に転職した場合、申請時の内容と実際の状況が異なることになります。個別の取扱いは事案によって異なるため、申請先の地方出入国在留管理官署に確認することをおすすめします。
更新申請中でも、今の会社で働き続けられますか。
在留期限までに申請を済ませている場合、特例期間の対象になります。出入国在留管理庁は、処分がされる時または在留期間の満了の日から2月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き従前の在留資格をもって在留でき、従前の活動を行うことができるとしています。就労できる在留資格であれば、その期間も就労を続けられます。ただし在留期限までに申請していることが前提であり、期間にも上限があります。個別の状況については、地方出入国在留管理官署で確認してください。
更新すれば、転職の届出はしなくてよいですか。
出入国在留管理庁は、在留期間更新許可を受けていても転職に係る届出は必要としています。更新と届出は別の手続きです。なお、在留資格変更許可を受けている場合は、転職に係る届出は不要とされています。
更新申請から結果が出るまで、どのくらいかかりますか。
標準処理期間は一般に2週間から1か月とされていますが、出入国在留管理庁が公表している在留審査処理期間では、これより長い日数が示されている月もあります。時期や在留資格によって変動するため、余裕をもって申請することをおすすめします。
在留期間が満了してしまいそうです。
在留期間の満了日までに申請を行う必要があります。満了が近い場合は、速やかに地方出入国在留管理官署または外国人在留総合インフォメーションセンターに相談してください。
まとめ
在留期間の更新は、転職の有無にかかわらず必要な手続きです。申請できるのは満了の概ね3か月前から、手数料は許可されるとき6,000円です。標準処理期間は2週間から1か月とされていますが、公表されている処理日数はこれより長い月もあります。
転職と更新が近い時期に重なる場合、押さえておきたいのは2点です。更新許可を受けても所属機関の届出は別に必要であること、そして更新が認められる前提として、行っている活動が在留資格に該当していることです。
後者は、更新の時期になってから考えるものではありません。転職先の職務内容が在留資格の範囲に入るかどうかは、選考の段階で確認しておくべきことです。ここが整理できていれば、更新は在留期限に合わせて進める手続きになります。
転職活動そのものが進まないと感じている場合は、外国人が転職できない理由|在留資格・企業・エージェント・転職活動の4つを解説で、どの段階で止まりやすいかを整理しています。
個別の判断は出入国在留管理庁が行います
在留期間の更新の可否や必要な手続きは、申請内容をもとに出入国在留管理庁が個別に審査して判断します。この記事の内容は一般的な整理であり、実際の許可・不許可を示すものではありません。手数料や処理期間は記事作成時点の情報です。判断に迷う場合は、入管の窓口や外国人在留総合インフォメーションセンター、入管業務を扱う専門家に確認することをおすすめします。
出典:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」/出入国在留管理庁「特例期間とは?」/出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」
監修
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